
1968年に映画館として建てられた万国戯院。町の産業の衰退とともに来場が減り、88年に閉館したが、2012年に歴史を伝える拠点として生まれ変わった。2018年には県の歴史建築に指定されることが決まり、地元民は地域活性化につながることに期待を寄せていた。
同作フェイスブックページによれば、撮影予定だったロケ地の劇場が急きょ、使えなくなり、製作中止か延期に追い込まれそうになっていたが、万国戯院が危機から「救ってくれた」という。そこで感謝の意を込め、日本での公開を前に台湾で試写会を開催した。
同作はシリーズ9作目で、女性演出家と若手俳優が濃厚な男女の愛憎劇を繰り広げる。出演した俳優の竹中直人は、台湾の劇場で撮影したことで「無国籍感というか、不思議な映像になっている」とメーキング映像でコメントを残した。
出席した翁章梁・県長は、これまで多くの作品が嘉義で撮影されたと紹介し、「映画の撮影はぜひ嘉義に」と呼び掛けた。
日本では27日から公開が始まる。
(蔡智明/編集:楊千慧)