小説家・平野啓一郎「基本となる信頼が安倍政権では損なわれた」

 本当に大切なのは、自分の生活実感の中から「今のままでいいか」を考えること。失業率低下、株価上昇などと言われていますが、それに実感がないなら「じゃあ、どうしたらいいのか」をよく考えて投票に行く。いくら企業の株価が上がっても、消費者が豊かになっていなければ、経済が上向くことはありません。



 政党の公約には、格差の是正、女性の活躍、待機児童問題などが並びますが、例えば「女性の活躍」で言えば、「どう考えているのか」を見極める。単に労働力が足りないから働いてもらわないと困るということなのか、男女差別をなくしていき、女性が活動しやすくしようとしているのか、そこが重要です。



 安倍政権下では弱者への言説のあり方も変わりました。以前は、金持ちは頑張っているのだからという文脈で、低所得者を放っておくような否定の仕方だった。それが今は、生活保護バッシングのような、社会保障費で迷惑をかけているという積極的な否定になっている。新自由主義から全体主義へ変化したと思います。



 でも本来は、みんなが生き生きと、おもしろい活動やすごい試みをできるような「雑多さ」を許容する社会のほうが結果的にうまくいく。未来への予測不可能性が極端に高まっている今、何が本当に役立つのかわからない。いろいろなことをしている人がいるほうがいいに決まっています。



 五輪のためにいずれ使わなくなるような施設を建てたり、北朝鮮問題を煽ることで国家の存在意義を強化したりすることよりも、日本は切羽詰まった問題をたくさん抱えているはず。社会福祉の観点から暮らしをどう平和的に維持し、人々の雑多さを許容できるか、考える政治が必要です。僕は自分を漠然と中道左派くらいだと思っていますが、何にせよ、「まともな」政治であってほしいと思います。



<プロフィール>
平野啓一郎さん◎小説家。’99年、京都大学在学中に発表した『日蝕』で芥川賞を受賞。最新長編小説は『マチネの終わりに』



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「小説家・平野啓一郎「基本となる信頼が安倍政権では損なわれた」」の みんなの反応 3
  • 匿名さん 通報

    この人いい。小説を書くのが仕事であり、才能だろうけど、日常的に色々発信して欲しい。先の戦争で辛い体験した親が、この人のインタビュー読んで、励まされたみたい。右や左の話じゃないんだよね。

    3
  • 匿名さん 通報

    平野啓一郎、、、お前の頭のレベルで政治を語らない方がいい。恥をかくぞ。

    1
  • 匿名さん 通報

    雑多の許容はいい。このなにげない普通のまともさ、社会が複雑化するほど何故か失われ国家も企業も人も老獪で姑息になる、まさに今の政治がドハマリだ。

    1
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