カルテの開示請求をしてわかりましたけど、最初に私を診た関門医療センターの医師はカルテに“疾病利得”って書いていたんです。こっちは3人の子どもを育てなければいけないのに、働かないことでどんな利得があるのか」
あまりにもいい加減な医師の対応に吉田さんの怒りは過熱し、言葉に怒気がこもる。
「当初は娘も兄も、病気ではないと思うちょった。そりゃプロである医者に“精神的なもの”と何度も言われたら信じてしまいますよね。
医者である前に人間であってほしい。何でこんなめちゃくちゃなことができるんでしょう。あの医師と病院だけは、どうしても許せんのよ。言いたいことは全部言っちゃる。そう思い裁判することを決めました」
昨年7月、吉田さんは関門医療センターを相手取り、330万円の慰謝料などを求め山口地裁下関支部に提訴した。
代理人である白石法律事務所の白石資朗弁護士は、
「病院側が行った不審な対応は、吉田さんが仮病・詐病であることを確認するためと主張しています。しかし、他の病院の診断があるにもかかわらず、患者の訴えを最初から疑ってかかっているとしか思えない。
たった1回の診察で心因性であると診断をしていること、疾病利得とカルテに記載すること、不随意運動の症状が軽いとされる朝に何度も確認しに来るのは、心因性と裏付けるためのものだと思えてしまう。これが病人を診察する態度なのでしょうか」
関門医療センターにも取材を申し込んだが、「裁判中につきコメントはできない」という返答が届いた。