山崎努が振り返る“あの役”「僕の演じた役の中で、代表作なんじゃないかな」

そう冗談まじりで話す山崎は、黒澤明監督の『天国と地獄』で脚光を浴びるなど頭角を現し、デビューから着実に俳優としての階段を駆け上がっていった。



ちなみに、映画の舞台である1974年、当時38歳のころの俳優人生を振り返ってもらうと、こんな答えが。



「当時は『必殺仕置人』の撮影で、京都まで週に3日くらい通ってたのかな。あのとき僕が演じた“念仏の鉄”が評判よくて、人気あるんだよ。実は今でも鉄はパチンコのキャラクターになったり(笑)」

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念仏の鉄は'77年放送の『新・必殺仕置人』でも再演。同じ役を演じたがらない彼にとっては、例外中の例外の役だった。



「『仕置人』の撮影自体は楽しかったんだけどね。同じ役と付き合っていくのが苦手で、飽きちゃうんですよ。だから途中で足を引きずってみたり、髪型変えたりしてね、キャラクターをいろいろ変えて、退屈を紛らわせてたんです(笑)。



でも今も、事あるごとに鉄の名前を挙げていただくんですよ。いろいろ映像の仕事やってきたけど、みなさんからそこまでおっしゃっていただくと、念仏の鉄が僕の演じた役の中で、代表作なんじゃないかなって。何かそう思えてきちゃいますよね」



また、『俳優のノート』を出版するなど、独自の演劇論を持つ彼は、守一の言葉“絵描きくさいのはやりきれない。それは大変な欠点です”という姿勢に惹かれ、いつも素人でいることが表現者にとっていちばん大切だと、映画の副読本『モリカズさんと私』(文藝春秋)に記している。絵描き然とした絵描き、俳優然とした俳優など、技術ばかり先行した人に、ろくな者はいないと常々思っているそう。


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