阿川佐和子「そうか笑い話なんだ」で気づいた、認知症の母との明るい介護生活

阿川佐和子「そうか笑い話なんだ」で気づいた、認知症の母との明るい介護生活
阿川佐和子さん

 小説、エッセイ、トーク番組と縦横無尽にご活躍の阿川佐和子さん。4年前に小説家の父・阿川弘之さんを看取り、いまは認知症の母親の介護を続けています。そんな阿川さんが実体験から会得した、介護の秘訣を伝授します!



■認知症の母親の介護体験を小説に

――阿川さんが昨年上梓(じょうし)された、小説『ことことこーこ』(角川書店)では、認知症になった母「琴子」と娘「香子」の心情が描かれています。阿川さんも現在、認知症のお母様を介護されているとのことですが、実際に起こったことを書かれているのですか。    



 小説のために作った話も多いですが、実話もあります。父親が家族に「母さんはボケた、ボケた、ボケた!」と連呼したのは、本当にあったことです。



 それから、母親が、備忘録のメモを山のように積み上げていて、そのメモに、「なんでこんなに忘れるのでしょう」「バカ、バカ、バカ」と書いてあるのを見つけたという話も、私が経験したことです。



 私はそのメモを見て、「ああ、ある日突然、認知症になるわけじゃないんだ」「その過程で、こんな焦りを感じていたんだ」と気づいたんです。たぶん、本人はそのころがいちばん不安で、やり場のないイライラがあったのではないかと。実際、母が怒りっぽくなった時期もありましたから。



 弟夫婦が少々悪役的な役まわりなのは作り話です。弟には事前に、「これこれこんなふうに書くけど、お宅のことじゃないからね」と念を押しておきました(笑)。


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