発達障害のリスクを指摘される「ネオニコ農薬」、なぜか日本だけが規制緩和の怪

 またEUは'13年、ネオニコ農薬3種の使用を2年間凍結するとともに、木村―黒田氏の論文を根拠にヒトへの影響を認めた。



 アメリカでは「ミツバチは動植物への広範な影響の早期警戒指標である」との考えから、'14年に当時のオバマ大統領が花粉媒介生物保護のための特別委員会を設立、「国家花粉保健戦略」をまとめるとした。またアメリカ環境保護庁はネオニコ農薬に「ハチなどの昆虫に有害」との表示を義務づけた。



 このように、世界が花粉媒介生物の保護のために、ネオニコ農薬の凍結などの対策を行っているのに対し、農林水産省は「ネオニコ農薬はイネのカメムシ防除には重要」「人や水生動物に対する毒性は弱い」との見解を変えていない。



 イネのカメムシ対策は、カメムシが吸汁した米粒には黒い斑点が残り、この「斑点米」が1000粒に1粒まじると1等米、2粒以上だと2等米になり、60キログラムあたりの買い取り価格に1000円近い差がつくため、生産者は行政が発する「カメムシ注意報」に合わせて農薬をまく。しかし斑点米は「色彩選別機」で簡単に除去できるので「わざわざ農薬をまく必要はない」と、米の生産者は言う。



 さらに農水省は、'13年にネオニコ農薬の基準を大幅に緩和、3ppmだったホウレンソウの残留基準値を40ppmに、0・02ppmだったカブの葉を40ppmに変えた。



 基準値緩和に反対していた市民団体は「体重16キログラムの子どもがホウレンソウ40gを食べただけで急性中毒になる」と抗議したが、農水省は「農薬を使う以上、効果がないと意味がない」との考えを示している。



 食べる側の意見を聞こうとしない。その姿勢を国が変えない限り、「食の安全」は脅かされるままだろう。



(執筆/上林裕子)



上林裕子 ◎フリージャーナリスト。北海道生まれ。業界専門誌を経て現在、ニュースサイト「ハーバービジネスオンライン」、「日刊ベリタ」などで執筆。食の安全をテーマに、生活者の視点から取材を続ける



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