それは本人の努力の賜物(たまもの)ですから、他人がとやかく言うことではありません。しかし、コメンテーターをするのなら、そういう“強者”である自分を捨てきれるかどうかがポイントになってくると思うのです。デリカシーのない発言をすることは、小木の特徴ではありますが、それでも越えてはいけない一線があるはずです。経済的に恵まれない人、生命の危機に一瞬でもさらされた人、信頼していた夫に裏切られた妻など、弱い立場に立たされている人に共感しようとする姿勢がないと、それは単なる見下しになってしまうからです。
自分は弱者とは無関係だ。そう思っているようなコメントを小木が繰り返すなら、人気芸人というよりも“ヤバいオジサン”と見る人が増えていくかもしれません。
<プロフィール>
仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ。会社員を経てフリーライターに。『サイゾーウーマン』『週刊SPA!』『GINGER』『steady.』などにタレント論、女子アナ批評を寄稿。また、自身のブログ、ツイッターで婚活に悩む男女の相談に応えている。2015年に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)を発表し、異例の女性向け婚活本として話題に。好きな言葉は「勝てば官軍、負ければ賊軍」