本作では教え子になめられっぱなしの寺子屋の先生役だが、幼少期はどんな子だった?



「破天荒で先生の言うことを聞かない子でした(笑)。でも小学2年で野球を始めてからまじめになり、責任感が生まれましたね」



■高校球児、演劇部にスカウトされる

 高校は、長崎の甲子園常連校に特待生として入学。高3のときには副キャプテンを務めたが、夏は県大会ベスト8で敗退。



「母校史上、最低と言っていいような成績でした」



 その後のある日、演劇部の顧問から男性キャストが足りないからと勧誘を受ける。



「特待生なのに結果を残せなかった申し訳なさと情けなさから、学校に少しでも恩返しができればと、引き受けました」



 ただの助っ人のはずが、演劇の甲子園である『全国高等学校演劇大会』の九州地区大会で優勝を飾る。



「その公演後に幕の前に立った瞬間、うまく言語化できない、露骨な快感に包まれて。“役者をやろう”と思いました」



 すでに野球推薦で大学が決まっていた。両親とは勘当寸前までもめたが、最終的には熱意を理解してくれた。進学先に頭を下げ、現在の事務所に入った。



「中1のときに福岡でスカウトされて以来、ずっと誘い続けてくれて。ただ僕は、“いつもご苦労さまです。でも、やりませんよ”と言っていて。俳優になりたいなんて、まったく思ってなかった(笑)。



 でも、今はこの選択をしたことに後悔はないです。俳優は、作品ごとにいろんな知識を得られる。今回の一馬をやらなかったら、僕は武士のことや、当時の生活様式などに思いを馳せることはなかったと思うんです。演じるためには、考える時間がすごく必要。だからこそ、得ることがたくさんあるんです」