そして、いざお見合いトークが始まったかと思えば、瀧川鯉斗を前に浅田は、以前マネージャーから「“真央にどうかな”と勧められて興味があった」と嬉々として話すのである。そんな偶然あるかいな。
つまり、この企画自体、“1対3のお見合い”というテイをとっておきながら、あらかじめ仕組まれていた出来レースっぽく見えるのだ。事前打ち合わせでマネージャーが「ウチの浅田が最近、鯉斗さんのことが気になってましてね」と口走るや否や、早急にスケジュール押さえて、そこに当日スタジオにいるりんたろーと、予定の合わせられる看護師俳優をあてがったのでは……? とか想像が膨らんでしまう。
そんな下衆な勘繰りをしてしまうくらい、3人のバランスが悪いのだ。ストレートに『浅田真央が最近お気に入りの瀧川鯉斗と連絡先交換!』なんてのは生々しいということで、ワンクッションかませたのかもしれない。これが、浅田サイドの持ち込み企画で“番組を使った婚活”だったとしたら尚すごいが(それはないか)。
そして肝心の鯉斗である。彼は放送翌日、インスタに浅田とのツーショットを載せたものの《国民的スターいや世界スター 浅田真央さんに選んでいただきました。大変に光栄な事です》といまいち熱がこもっていないようなコメントを出している。
本人は単純に“浅田真央の4条件にマッチしたタレント”として軽いノリで出たつもりなのかもしれないが、『ホンマでっか』は「ふたりの恋の行方を追い続けます」と言っているぞ。そのところを、本人は自覚しているのだろうか。鯉斗があげたツーショットには浅田のファンと思しき人からの《お似合いです》《真央ちゃんを幸せにしてあげてください》とコメントもすでに寄せられている。いきなり重いが大丈夫か。
今年で30歳になった浅田真央だが、MCの明石家さんまも年齢を聞いて「国民がみんな子どもやと、我が子のように思っているから」と驚いていた。彼女が今も“真央ちゃん”と呼ばれていることがその主張の何よりの裏付けである。
節目を迎えて“恋愛にオープン”になった真央ちゃんと、それを見守る国民。そして事の重大さを知ってか知らずかの鯉斗──。恋の行方から目が離せない。
〈皿乃まる美・コラムニスト〉