中尾「自分のということになれば、それは、ヒット曲でしょ。私は、数が少ないですけど、尾藤さんはいっぱいありますから」
尾藤「いやいや。中尾さんは1曲しかないんですけど、僕は2曲あるんです。1曲多いから、僕の勝ちですよ(笑)」
中尾「(笑)。でもね、音楽の力ってすごいなって思います。コンサートなんかやって、『可愛いベイビー』を歌った瞬間にお客さんは、当時の自分に帰るわけです。それも、一瞬にして。みんなそれぞれの人生があって、感じ方がある。つくづく、音楽の力って大きいなと思いますよね」
■捨てられない〇〇
今作のタイトルにもなっている“感謝離”。「今年の流行語大賞に推薦したかった」と、ふたりは言う。
中尾「原作を書いた河崎さんが、“感謝離で(遺品を)全部処分しました。残っているのは写真1枚だけです”と。そう聞いて、ふと、写真って自分でも捨てられないけれど、残されるといちばん厄介だなと思いました。われわれの年代は、捨てるという言葉に敏感だから、ついついため込んでしまう。でも、感謝離だと思うと、気持ちを楽に整理ができる。そう言っても、まだできていないんですけど(笑)」
尾藤「“ありがとう”って感謝離するっていいですよね。僕もね、捨てられないものがありますよ。洋服ダンスの中の服で、かれこれ8年くらい着ていないものが」
中尾「8年前の服なんて入りやしないでしょ」
尾藤「いや、上は入るんですよ。でも、下はパッツンパッツン(笑)」