89歳になる兼高かおるさん「わたくしの人生の旅は、まだまだ続きますのよ」

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 『世界の旅』で、毎週お目にかかっていたころと変わらない上品な物言いで、兼高さんが語り出す。



「わたくしが通っていたのは東京のキリスト教系のお嬢様学校で、体育で走ったりするときには“ごめんあそばせ”と言って追い越すよう指導されるような学校でした。そんな学校でラグビーのまねや木登りなんかしましたから、先生からは怒られましたね。母といえば、そんなわたくしを叱ろうともせず“ケガしないように下りてらっしゃい”とだけ言うような女性でした」



 兼高さんいわく“大正モダンを絵に描いたような自由人”という母親のもと、のびのびと育った女の子も、時代の趨勢にのみ込まれていく。昭和16年(1941年)、日本が太平洋戦争に突入したのだ。



 ミッション系で、英語教育に力を入れていた学校だったが、週に8時間の英語の授業が4時間に減らされた。敵国語だったからである。



「それじゃしょうがないと、英語の家庭教師についたの。日本人(の先生)でしたから、文法とかのほうでしたけど」



 健康な者だったら例外はなかったという勤労奉仕も経験した。



「男は工場、女は縫い物。わたくしは工場も縫い物もやりましたね。大崎にありました沖電気で女工をやったり、学校の教室で、満州にいる兵隊さんが着るチョッキのボタンつけなどもしました」



 非常時ならではの、ミステリアスな出会いもあった。



 友人の父親が海外で真っ白なオーバーコートを入手した。おしゃれがしたい盛りの10代がそろって高揚したのも無理はない。オーバーを見せびらかそうと銀座の大通りに繰り出した彼女たちに、大学生らしい青年が声をかけた。


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2017年2月26日の芸能総合記事

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