「実は、美智子さまはハワイアンミュージックがお好きなのですが、聴く機会がないとのことで、8年前に私たち音楽仲間でCDを自主製作して差し上げたことがあります。
ハワイ語で『月光の歌』というタイトルの、この世に12枚しかない8曲入りのCDを美智子さまに贈ったところ、陛下とともにかなりお喜びだったそうです。
昭和20年代の青春時代を思い出していただいたかもしれません。退位後にお時間ができたときには、生演奏をお聴かせする機会があればいいと思います」
「疲れた」「つらい」からではなく「全身全霊」で象徴としての務めを果たしていくことができなくなったから─。というのが陛下のおことばの趣旨だったと思われるが、長年の苦労や不自由さを知る旧友たちだからこそ、決して口には出さない陛下の“本音”を感じとっているのかもしれない。