「将来的には田舎で暮らしたい」

そんなふうに思ったことはあるだろうか。

緑が豊かで、空気もおいしく、趣味や生活をゆったりと楽しめそうな田舎暮らし。都会で生まれ育った人は、スローで静かな風景を思い浮かべるのではないだろうか。

実際に、「田舎は静かだ」と言う田舎育ちの人もいるかもしれない。しかし、その「静か」という言葉の裏には、こんな事情が潜んでいるのかも......。

こちらは、ツイッターユーザーの麦さん(@mugichopoko)による、2020年6月13日のツイート。麦さんは、育児中の出来事や日常生活の一コマを漫画や絵日記にしてブログやツイッターに公開している。

この漫画は、麦さんが結婚する前にあった出来事を描いたもの。後に夫となる男性(都会育ち)が、初めて麦さんの実家に泊まりに来た日のことだ。

意識すれば聞こえるが...

田舎民だけが持つ特殊能力? 田んぼのガーガー音を聞こえなくす...の画像はこちら >>

麦さんのツイートより(編集部でトリミング)

麦さんの家族と男性が4人で歓談しているときに、男性が

「ずっと気になってたんだけどこれ何の音?ガーガーって・・」

と切り出した。しかし、麦さんも家族も「何のことかわからない」とばかりにキョトンとした顔。

そんな音が本当にしているのだろうか?麦さんらは、耳を澄ませて周りの音を聞いてみることにした。すると...

田舎民だけが持つ特殊能力? 田んぼのガーガー音を聞こえなくする「カエルキャンセラー」が話題に

麦さんのツイートより(編集部でトリミング)

徐々に聞こえてくる「ガァガァ」という音。カエルたちの大合唱だ。

いったん意識してみると音はかなり大きかったようで、細い字で書かれていた「ガァガァ」はどんどん太く力強い字になり、コマの余白を埋めていく。

「嘘でしょこんなでかい音どうやったら聞き流せるん」

という男性の言葉からも、カエルの声は非常にうるさかったことがうかがえる。

静かな場所=慣れ親しんだ場所?

16日、Jタウンネット編集部の取材に応じた麦さんによると、麦さんの実家は関東の「田んぼだらけのところ」にある。この場所で育ってきた麦さんが、カエルの声を認識したのはこの時が初めてだったそう。

つまり、カエルの声を聞き流す機能は

「産まれた時にはもう搭載されていたみたいです」

とのことだ。

麦さんによると、現在は実家を離れ、田んぼが近くにない場所に住んでいるので、普段の生活でノイズキャンセラーが発動することはない。しかし、夏に実家に帰ったときにはしっかりとその力は発揮されるそうだ。

ちなみに、そのとき旦那さんはというと、

「(カエルの声で)テレビ聞こえないよ、と爆笑してます」

たまに行く、くらいでは身につかない機能なのだろう。

家の近くに田んぼがある人たちは、麦さんと同じように無意識のうちにカエルの声を聞き流しているようで、

「こちらを拝見したあと耳を澄ませたらメチャクチャ蛙の鳴き声してます。現在進行形で。コンビニもない田舎です」
「すごくよく分かります!!夫(田んぼ未経験)は虫とかカエルの鳴き声にすごく敏感で、私(実家の隣田んぼ)は言われないと気が付きません」
「私も旦那も田舎育ちですっかり忘れていたら、2歳の娘に『なんのおと?』と言われて、我が家が田んぼに囲まれていたのを思い出しました」

など共感の声が寄せられていた。

また、線路が近くにある人は電車の音、道路が近くにある人は車の音など身近なノイズが気にならない、というコメントも多い。それぞれ自分が育った環境の雑音を聞き流せるようになっているのだろう。

静かな場所で暮らしたい、と思ったら慣れ親しんだ場所に戻るのが一番いいのかもしれない。