読者のみなさんは、「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」(日本テレビ系)を覚えているだろうか。

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1985年4月から1996年10月にかけて、日曜20時に放送されていた伝説的なバラエティ番組で、ビートたけしさんや松方弘樹さん(故人)、高田純次さん、兵藤ゆきさん、島崎俊郎さんらが出演。

総合演出はテリー伊藤さんが務めていた。

伝説のバラエティ番組の終了から早25年――。

Jタウンネットでは、「元気が出るテレビ」の放送初期に行われていた町おこし企画「復興広告計画」を振り返っている。

【東京・熊野前商店街編はこちら】

前回は、「復興広告計画」が最初に行われた東京都荒川区の熊野前商店街に訪れ、商店街の理事長たちから貴重なエピソードを聞いた。また、今も商店街に残る「たけし猫招き」やポスターの存在も確認できた。

今回取り上げるのは、同じく「復興広告計画」で取り上げられた千葉県浦安市にあるフラワー通り商店街だ。

元気が出るハウスの設置、ミニドラマも......

浦安フラワー商店街は現在、名前が少し変わり「堀江フラワー通り」になっている。

ビートたけしに救われた町は、今―― 「ここに来ないと死んでしまう」フラワー通り商店街から消えた面影

この商店街は、番組から「ここに来ないと死んでしまう」とのキャッチコピーが送られ、この言葉が使われたポスターが作られた。さらに、「たけし猫招き神社」や番組オリジナルグッズの販売が行われる「元気が出るハウス」も設置された。

また、俳優の原田大二郎さんや当時の商店街の方々が出演したミニドラマまで制作された。

前回取り上げた熊野前商店街同様、番組で紹介されたことで全国的に知名度が上がったフラワー商店街だが、放送終了から25年、企画の実施から36年と長い時間を経てどう変わっているのか。

12月7日、Jタウンネットは現在も堀江フラワー通りに店を構える「徳兵衛商店」の店主に電話を通じて、「元気が出るテレビ」についての話を聞いたが、

「世代交代とかでもう番組のことを覚えている人はいないんじゃないかな......」

と、復興広告計画についての話は得られなかった。

テリー伊藤さんが自宅で語った秘話

ビートたけしに救われた町は、今―― 「ここに来ないと死んでしまう」フラワー通り商店街から消えた面影

続いて、同じくフラワー通りに店を構えるクリーニング店「クリーニング京屋」の店主にも当時の話を聞いた。

――企画が行われていた当時の盛り上がりは覚えているか。

「放送があった当時は、地元の人より外から来た人が盛り上がっていた印象です」(クリーニング京屋店主=以下同)

――当時、印象的な出来事はあったか

「家の隣が『元気が出るハウス』だったものですから、テリー伊藤さんがフラワー通りに来ると、うちに上がってお茶を飲んで、個人的な雑談なんかもしていました」

番組のブームが過ぎ去った後の話についても聞いた。

――熊野前商店街では「たけし猫招き」やポスターが残っていましたが、フラワー通りでも番組の名残はあるか。

「もうないかもしれませんね。『たけし猫招き』も当時の会長が管理されていたのですが、もう亡くなってしまって行方がわかりません。それに『たけし猫招き湯』になっていた『米の湯』さんも廃業して2か月くらい前に解体されてしまいました。
そもそも番組の放送当時は商店街の加盟店数が50~60あったのですが、今は加盟数が1ケタになってしまっています。
世代交代や、後継ぎがいない問題で店がかなり減ってしまいました」

商店街の活気はどこに消えたのか......

21年12月8日、Jタウンネット編集部は堀江フラワー通りを訪れた。

ビートたけしに救われた町は、今―― 「ここに来ないと死んでしまう」フラワー通り商店街から消えた面影

浦安観光コンベンション協会の公式サイトによると、フラワー通りはかつて浦安唯一の商店会で、映画館、日常雑貨の店、飲食店などが並んでいたという。

しかし、現在のフラワー通りには商店よりもアパートや一軒家といった住居の数が多く、人通りもほとんどなかった。これは平日の午前中で、しかも悪天候だったことが影響しているかもしれないが......。

ビートたけしに救われた町は、今―― 「ここに来ないと死んでしまう」フラワー通り商店街から消えた面影

クリーニング京屋の店主から教わった「元気が出るハウス」のあった場所は現在、ミニパークに変わっている。

ビートたけしに救われた町は、今―― 「ここに来ないと死んでしまう」フラワー通り商店街から消えた面影

「米の湯」も完全に跡形がなくなっており、本当にかつて「元気が出るテレビ」で一躍注目を集めた場所なのか疑ってしまうほど、番組の面影はない。

ビートたけしに救われた町は、今―― 「ここに来ないと死んでしまう」フラワー通り商店街から消えた面影

「たけし猫招き」が現存するなど、番組の名残が残っていた熊野前商店街と異なり、フラワー通り商店街は番組のレガシーがないどころか、商店街としての存在感も薄れているようだった。