
オーストラリアにあるシーライフ・メルボルン水族館で、今年の初めに生まれたキングペンギン(オウサマペンギン)のヒナが、ふわモコなヘビー級の巨体で世界中から注目を集めている。
生後9か月の「ペスト」は身長約90cm、そして体重はなんと22.5kg。
春を迎えるとモコモコの羽は抜け落ちて、おとなの羽に生え変わってしまう。南半球の春はもうすぐ。ビッグサイズなペンギンベビーを見たいなら、今がラストチャンスなんだ。
親よりもでかい?キングペンギンの巨大ベビー
ペストが誕生したのは、2024年1月30日のことだった。生まれたときの体重はわずか200g。それがこんな巨大なベビーに育つとは、その時は誰も予想だにしなかった。
下の写真は生後2か月当時のペスト。大人のペンギンに比べると、まだまだとっても可愛いサイズ。
だがそれから7か月。ペストはすくすく大きくなって、今ではこんなヘビー級に。成鳥たちと比べても、横幅は倍くらいありそうだ。
キングペンギンの平均体重は10~16kg程度だという。
この水族館では若いペンギンたちが育児に慣れるよう、生まれたヒナの「里親」をさせ、経験を積ませているんだそうだ。
ペストも若いカップルのところへ里子に出されたわけだが、育ての親のタンゴとハドソンの体重は、それぞれ11kgと標準サイズ。つまり彼らの体重の合計よりも、ペストの方が重くなってしまったんだ。
飼育員さんと並んでもこの存在感。ペストは現在、1日に25~30匹の魚を食べているという。もしかすると成鳥になるまでに、さらに大きく育つかも?
性別は男の子で確定
気になるペストの性別だが、実はキングペンギンの場合、外から見ただけではオスかメスかの判別はつかないため、血液検査をする必要があった。
欧米では赤ちゃんの性別を知らせるために、「ジェンダーリビールケーキ」と呼ばれるケーキを作ってお披露目することがある。
2024年9月5日、飼育員さんがペストのジェンダーリビールケーキをカットするシーンをInstagramに投稿したところ、中からは水色のクリームが。
ペストの性別は、男の子ということで確定したようだ。
換羽を終えるとかなり細くなるらしい
キングペンギンのヒナは、南極の厳しい寒さを生き抜くために、幼いうちはモコモコの産毛に覆われている。
やがて自分で泳ぎ、餌をとることができるようになると、この茶色い羽毛は抜けて大人の羽に生え変わる。
とはいえ彼の場合、もともと身体自体が大きいので、父親譲りの18kg程度の体重は維持するのでは?と、水族館では考えているらしい。
キングペンギンは、だいたい春から夏にかけての10月~1月頃に換羽が完了するそうだ。ペストもちょうどこれから大人の姿へと変身していくと思われる。
水族館ではInstagramやFacebookといったSNSを通じて、ペストの成長の様子を公開してくれている。彼が今後、どんなイケペンギンに変身していくのか、見守っていくのも楽しみだ。
また、シーライフ・メルボルン水族館では、予約制で「ペンギン・パスポート」と呼ばれるふれあいツアーを提供している。
45分間、ペンギンの展示場やバックヤードの見学ができるそうなので、メルボルンを訪れる機会があれば、遊びに行ってみるのもありだと思う。