ロサンゼルスを襲った壊滅的山火事に巻き込まれた動物たちの現状
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 2025年1月7日、アメリカのカリフォルニア州ロサンゼルス郡で史上最悪とも言われる山火事が発生し、周辺地域に拡大しながら今も燃え続けている。

 被災地域は拡大を続け、1月12日現在、約15万人の住民に避難命令が出されたが、そこには多くの動物たちがいる事実も知っておかなければならない。

 現地では消火活動中の消防士が、燃え盛る住宅街をさまよう犬を呼び寄せ、片手で放水しながら、もう片方の手で犬を優しくなでて安心させる姿も目撃された。

消火活動をしながら犬を撫でる消防士の映像が話題に

 ロサンゼルスの街を飲み込んで燃え続ける山火事、1月8日、SNSには消火活動を行っていた消防隊員が、片手でホースを構えて放水しながら、もう片方の手で犬を撫でている様子が投稿された。

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 この犬は焼け落ちた住宅街から何とか逃げ出し、歩道を歩いてきたのだという。消防士は犬を呼び寄せると、頭を撫でて落ち着かせながら、もう片方の手では燃え盛る炎に向かって放水を続けている。

 犬はこの後、地元の保護団体に引き取られたそうだ。地元のニュースでも「犬は安全に保護された」と報じられているので、ひとまず安心していいだろう。

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消防士を称える声、犬を心配する声

 この動画がSNSに投稿されると、コメント欄は山火事の被害に遭った動物たちを心配する声で溢れかえった。

 また、その中には犬の飼い主を名乗る人物からのコメントもあった。

  • こういう人たちこそが英雄なんだ!
  • これは人間だけの悲劇じゃない。動物たちにとっても同じだ
  • 消防士たちの給料を上げてほしい!
  • どうしてペットたちを置いていけるの?
    • 火災が起こった時に職場にいたとか、急いで家に帰ったらペットがいなくなっていたとか、いろんな話を聞いたよ。みんなが意図的に置き去りにしたわけじゃないと思う
    • 避難命令が出た後、道路は警察に封鎖されたんだ。家に戻ることはできなかったんだよ
    • 愛犬を迎えに行けなくて号泣している人を動画で見たよ
  • どんな時でもペットは最優先すべき!家族なんだから!
  • たとえ自分が死ぬことになっても、ペットの安全を確保するためなら全力を尽くすよ。ペットは家族なんだよ!
    • まったく同意だ。家の中に置き去りにされたペットたちもいるって聞いたよ。
      僕の実家もこの被災地にあって、燃えてなくなっちゃったけど、両親はペットたちを連れ出してくれたんだ
      • 避難が始まった時、みんな仕事中でペットを迎えに帰れなかったんだよ
        • それは知ってる。僕が言ってるのは、故意に置き去りにした人たちのことだ
  • 飼い主はいったいどこにいるんだ!
    • 落ち着け。故意にペットを置いていく人なんかいないよ
  • これは私の愛犬のルーファスです。消防士さんのおかげで無事に家に帰れました!(おそらく飼い主本人のコメント)
    • あなたの犬なら、どうしてこんな風に置き去りにしたの?
      • 家に帰れなかった人たちもいるのよ。ペットを助けようと、何とかして家に戻ろうと取り乱している人たちを何人も見たわ
  • 無力な動物たちを見ると胸が張り裂けそうです。ロサンゼルスに神のご加護あありますように

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ペットたちを受け入れる施設も続々名乗りを上げる

 ロサンゼルスでは、今も数千軒もの住宅が山火事によって焼失・損傷の被害を受けており、ペットたちの救出が急務となっている。

 地元はもちろん、周辺の地域からも動物たちのために温かい救援の手が差し伸べられつつある。

 カリフォルニア州で動物病院を2か所経営する獣医師のアニー・ハーヴィリッチさんは、火災を逃れてきたペットたちのために、自身が所有する古い病院の建物を提供。SNSを通じて、ペットの預け先を探している人たちに呼びかけた。

相談に来る人の大半は、複数のペットを飼っている人たちです。犬や猫1匹ぐらいならホテルに連れていけるかもしれませんが、2匹、3匹となると無理でしょう

 アニーさんはこれまでに約20匹の犬や猫、そしてウサギなどの小動物を預かっているそうだ。

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 また、被害に遭った地域は乗馬を愛好する住人が多いため、馬を飼っている家もかなりあるという。

 こういった大型の動物については、ロサンゼルス北部にある乗馬センターが受け入れを開始。

12日現在、400頭の馬やロバを保護しているほか、地元の高校や保護センターなど、約10カ所が受け入れを表明しているそうだ。

 さらに、ロサンゼルス北部を拠点に活動するパサデナ動物愛護協会[https://pasadenahumane.org/]では、1月12日現在で400匹以上のペットたちの一時預かりをしている。

 このシェルターには、飼い主から預かったペットのほか、全身火傷だらけになった鳥や動物たちが保護されており、こうした動物たちの数は今後も増えると予想しているそうだ。

 下は、パサデナ動物愛護協会で保護したペットや野生動物たちの様子だ。

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動物たちへのさらなる支援が求められる

 アメリカの「避難命令」とは、避難所に限らず親類や友人宅、ホテル、シェルターなど、とにかく避難命令の対象地域からすぐに移動しろということなんだそうだ。

 避難所の場合、ペットを連れての避難を認めているところもあるようだが、アレルギー持ちの人や動物嫌いの人もいるかもしれない。

 また、食べ物やトイレといったペット用品は基本的に用意されていないし、鳴き声などで迷惑をかけた場合は退去を求められることもあるそうだ。

 実はアメリカでは約半数の家庭が犬や猫を飼っており、災害などの緊急時にはいっしょに避難することを望む人がほとんどだという。

 一時的にせよ、ペットをシェルターに預けて自分だけ避難所に……というのは、受け入れがたいという人が多いのだ。

 だが今回のように街が丸ごと焼失するような大きな災害では、親類や友人・知人を頼るにしても限界がある。

 長期的にペットと一緒に避難できる場所があれば良いが、そうでない場合は、やはり保護団体などが運営するシェルターに預けるのが望ましいと言えるだろう。

 現在、先述のパサデナ動物愛護協会では、山火事で避難してきたペットたちのために、広く支援を呼びかけている。

こちらのサイト[https://give.pasadenahumane.org/give/654134/#!/donation/checkout]で寄付を受け付けているので、興味のある人はぜひ行ってみてほしい。

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追記:(2025/01/13)本文を一部訂正しました。

References: Firefighter Comforts Dog Wandering Burning California Neighborhood While Battling L.A. Wildfires[https://people.com/footage-california-fires-shows-lost-dog-comforted-by-firefighter-8771915]

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