筋トレに電気刺激を加えることで、筋力と筋肉量が増加することが判明
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 そのうち電撃トレーニングが流行るかもしれない。新たな研究によると、体に電気を流しながら筋トレをすると、効果的に筋肉量を増やし筋力アップできることがわかった。



 電撃と言っても、そんなに大袈裟なものじゃない。微弱な電気で筋肉を動かす神経をビクビクさせる神経筋電気刺激(NMES)と呼ばれるもので、電気的筋刺激(EMS)と同じようにパットを使って行うものだ。

 米国の運動学者チームは、その効果を探るため、過去の13の研究をメタ分析した。従来の筋トレのみの場合と比較したところ、筋力および筋量の向上効果がより顕著であることが示された。

神経筋電気刺激(NMES)のメカニズムとは?

 神経筋電気刺激(NMES)パットは電気信号を神経に送り、筋肉を強制的に収縮させる装置だ。

 通常、筋肉は脳から送られる信号で動くが、NMESは外部からの電気刺激で筋肉を動かす。これにより筋肉が「自動的に」収縮する。

 日本でも市販されている電気的筋刺激(EMS)パットと基本的には似た技術だが、EMSが神経を介さずに直接筋肉に電気刺激を与えて収縮させるのに対し、NMESは筋肉を動かす”神経”に電気刺激を与える。

 この違いにより、NMESの方がより深い筋肉や神経経路に作用する。そのため、リハビリや医療用途で利用されることが多い。

 一方でEMSは浅い筋肉をターゲットにしており、美容や軽いフィットネス向けに適している。

 テキサス大学エルパソ校のスディップ・バジペイ教授は、こう説明する。

普通、脳は神経を介して筋肉を動かします。

NMESは、脳からの信号なしに、外から電気を神経に流すことで筋肉を収縮させます。筋肉が勝手に縮んでしまうような感じです(バジペイ教授)

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電気刺激(NMES)が筋トレ効果を増強させることが判明

 ではこうしたNMESを普通の筋トレに組み合わせて、もっと効率的に筋肉、筋力アップすることはできないだろうか?

 バジペイ教授はそれを知るために、過去の13の研究をメタ分析(複数の研究結果を統合して統計的に解析し、全体的な結論を導き出す)した。

 それらの研究では、NMESを使いながらベンチプレスやスクワットなどの筋トレ行ったケースと、NMESなしで行ったケースの結果が比較されている。なお筋トレは、8~12回行ったら休憩し、また繰り返すというよくあるものだ。

 その結果、NMESを併用すると、しない場合に比べて、筋肉量や筋力を効果的に増加させることができることがわかった。

 また調査された過去研究は、2週間~16週間にかけて行われたが、期間が長いほど良い結果が得られることもわかった。

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NMESは糖尿病の予防や血糖値管理にも効果が見込める

 ちなみにバジペイ教授の研究テーマは、単純に体を鍛えることだけでなく、NMESなどの電気刺激で体を健康にする方法を探ることであるという。

 例えば、NMESを上手に利用すれば、糖尿病を予防したり、血糖値をコントロールする手助けになるかもしれない。

運動は薬のようなものであり、健康を支える重要な要素ですが、従来の運動に参加できない、あるいは参加したくない人々も多く存在します。そのような人々にとって、NMESは筋肉量を増加させ、血糖の代謝を助ける可能性を秘めています(バジペイ教授)

 NMESがもたらす代謝健康への影響について、バジェペイ博士の次なる研究成果が期待されている。

 この研究は、『European Journal of Applied Physiology[https://link.springer.com/article/10.1007/s00421-024-05700-2]』(2025年1月2日付)に掲載された。

References: Electrifying your workout can boost muscles m | EurekAlert![https://www.eurekalert.org/news-releases/1070050]

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