こいつ、動くぞ?食べられるグミロボットが乗ったケーキ、大阪・関西万博に展示中
 image credit:2025 EPFL/Jamani Caillet/(<a href="https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0/deed.en" target="_blank" rel="noreferrer noopener">CC-BY-SA 4.0</a>)

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 おいしそうなケーキの上に乗っかっているのはザクロ味の大きなクマの形をしたグミだが、実はこのグミ、動くロボットなのだ。

 現在、大阪・関西万博スイス館で展示されているた「RoboCake(ロボケーキ)」はスイスとイタリアのチームが開発したもので、大きなケーキの上に乗っかったグミベアは、かわいらしいダンスを披露する。

 これは空気圧によって稼働する食べられるロボットなのだ。しかもおいしいというのだから、試食してみたくなるじゃないか。

グミベアが踊る、世界初の食べられるロボットケーキ

 「RoboCake(ロボケーキ)」は、EUが助成する「RoboFoodプロジェクト」の一環として、スイス連邦工科大学ローザンヌ校・イタリア技術研究所の研究者と、ローザンヌ高等ホテル学校のパティシエたちが作り上げた世界初の完全可食ロボットだ。

 踊るグミベアは、ゼラチン・シロップ・着色料で作られたもの。口に含めば、柔らかい食感とザクロの甘さが広がる。

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 だがこれは動くロボットだ。内部に空気圧を利用したシステムが仕込まれており、頭や腕を動かして可愛いダンスを披露する。

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LEDキャンドル用のバッテリーも食べられる!

 さらに美味しさのアクセントになるのが、一見したところクッキーのような飾りだ。

 これはケーキのLEDキャンドルに電気を供給するバッテリー(電池)なのだが、実はこれすらも食べられる。

 ビタミンB2・ケルセチン・活性炭・チョコレートで作られたもので、電池だというの人間が食べてもまったく害はない。

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 はたして食べられる電池のお味はどのようなものか? イタリア技術研究所の博士課程学生ヴァレリオ・ガッリ氏は、ニュースリリース[https://actu.epfl.ch/news/robotics-meets-the-culinary-arts/]でこう語る

 「まずダークチョコレートの味が広がり、それから数秒ほど酸味が広がって驚くでしょう。これは、そこに含まれる食べられる電解質の味です」

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災害支援や投薬支援に食べられるロボットを

 なぜわざわざ食べられるロボットなど開発したのだろう。その狙いの1つは、食べることもできるロボットを開発するためだ。

 たとえば災害が発生したとき、危険な被災地にまず食べられるロボットを向かわせ、緊急支援用の食料とする。

 だが、それだけではない。

食べられるロボットの技術を応用すれば、病気や障害などで飲み込むことが難しい人々や、なかなか言うことを聞かない動物などに上手に薬を飲んでもらえるようになる。

 あるいは食べられるセンサーを食品に仕込み、その鮮度をチェックするといった使い方も考えられる。

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電子機器や食品の廃棄物を減らす役割も

 もう1つ重要なのは、食べられるロボット技術には、電子機器や食品の廃棄物を大幅に削減できる可能性があることだ。

 2022年の時点で世界の電子廃棄物[https://unitar.org/about/news-stories/press/global-e-waste-monitor-2024-electronic-waste-rising-five-times-faster-documented-e-waste-recycling]は年間6200万トンに達しており、今後もますます増加すると予測されている。

 増え続けるゴミをどうするかは世界にとって喫緊の課題だが、ロボケーキの食べられる電池ならば、こうした問題の解決に貢献できると期待できるのだ。

 見て楽しい、食べて美味しい、そして社会問題の解決にもつながる食べられるロボットに興味が湧いたら、大阪万博スイス館に行って食べられるロボットケーキの世界を体験してみよう。試食できるかどうかはちょっとわからないけども。

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References: Robotics meets the culinary arts[https://actu.epfl.ch/news/robotics-meets-the-culinary-arts/]

本記事は、海外の記事を基に、日本の読者向けに独自の視点で情報を再整理・編集しています。

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