動物の歯医者さんが大奮闘。クマの犬歯に銀歯を装着
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 歯医者に行くのが好き!って人はあまり多くないと思う。たとえ定期検診でお掃除してもらうだけだとしても、行きたくない場所の上位に入る。

 何がイヤって、あの独特のニオイやキュイーンっていうドリルの音だけで、待合室からもう緊張MAXになってしまうんだよ。

 アメリカのとある動物園で、巨大なブラウンベアが歯の治療を受けることになった。クマーの歯の治療なんて、するほうもされるほうも大変そう。

 今回は無事に、巨大な犬歯に人間のような銀歯が装着されたそうだ。無事に治療が終わったクマは、嬉しそうにおやつを食べていたそうだ。

折れてしまったクマの歯に銀歯を装着

 米ミネソタ州ダルースにあるレイク・スーペリア動物園(Lake Superior Zoo)[https://lszoo.org/]で、オスのブラウンベア「タンドラ(Tundra、ツンドラの意)」の歯の治療が行われ、巨大な犬歯に輝く銀歯が被せられた。

 タンドラは2023年に一度この犬歯を折ってしまい、根管治療(歯の根っこの治療)を受けたことがあったという。

 そして今回、再び同じ個所を損傷してしまったため、獣医師団は再発防止策として、金属製の被せ物の装着を選んだのである。

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 獣医歯科医のグレース・ブラウン博士が、動物園のスタッフと歯科技工所「クリーチャー・クラウンズ」の支援を受けて、タンドラの歯の治療を行うことになった。

 人間と違って、身体の大きなブラウンベアの歯の治療は一筋縄ではいかない。まず大人しく診療台に上がって口をあ~んしてくれるなんてことはないわけで、全身麻酔をかけなければならない。

 そして大きな口を開けたままになるよう固定して、削ったり消毒したり、薬を詰めたりといった処置が行われるのだ。

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武装チームが待機する中で治療は成功

 今回の治療に要した時間は1時間。途中で麻酔から覚めるなど、不測の事態が起こった場合に備えて、周囲には銃を持った武装チームが待機していたという。

 幸いなことに、タンドラの治療は問題なく終了した。彼ために作られた特製の銀歯は、耐久性のあるチタン合金で作られており、損傷した歯にしっかりと装着された。

 これでもう折れたりかけたりする心配もなく、一生保護されることになるだろう。

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母を亡くし兄弟と動物園に来たタンドラ

 タンドラは母親が殺されてしまった後、生後3か月の頃から兄弟のバンクスと一緒に、この動物園で飼育されているという。

 彼は現在6歳になり、体重は約360kg、後ろ足で完全に立ち上がると、体高は2.4mにも達する巨大なクマに成長した。

 もし治療の途中で暴れたりしたら、大変なことになっていたかもしれない。

現在は新しい歯にも慣れて元気に

 同動物園のキャロライン・ルートリー氏は、治療後のタンドラの様子をこう語っている。

タンドラの笑顔には、少し輝きが戻ってきたようです。彼は自分の飼育エリアにある大きな岩の上に立つのが好きで、そこでオヤツをキャッチして過ごしています

 今やタンドラは、キラキラと輝く歯で、最高の生活を送ることができるようになったようだ。

 下の動画で、銀歯をつけて元気にオヤツを食べるタンドラの様子が見られるよ。右上の犬歯がその銀歯だ。一瞬メタリックに輝く様子がわかるかな。

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 ちなみに熊の歯に合う銀歯となると、お値段も相当かかると思うのだが、幸いなことに今回の治療は全て寄付で賄われたとのこと。

 今回は無事に成功したが、猛獣相手の治療には常に危険が付きまとう。

 2009年にはネブラスカ州にある動物園で、トラの治療をしていた獣医が腕を噛まれて重傷[https://www.denverpost.com/2009/02/11/sedated-tiger-chomps-down-on-vet-at-omaha-zoo/]を負うという事件も起こっている。

長く健康に過ごすためにも歯は大切に!

 ちなみに日本では「動物の歯医者さん」という公的な資格はないんだそうだ。獣医師の免許を持っていれば歯の治療もできるけれど、人間の歯医者さんのように専門知識を持っているかというと、なかなかそうはいかないようだ。

 ただ、小動物歯科や口腔外科の分野での民間資格はあるみたいで、一応しっかり講習なんかは受けるらしい。

 さらに人間相手の歯科医師と獣医師の資格の両方を持っている先生もいて、そういうお医者さんなら心強いよね。

 人間もそうだけど、歯の健康は全身の健康を維持する上でも非常に大事。特に最近はペットの歯周病が問題になっている。

 口の中にいる歯周病菌は、全身に回ると生活習慣病の原因になり、大切なペットの寿命にも影響しかねないんだとか。

 可愛いペットの歯のケアに十分気を配って、いつまでも健康に、長く一緒に過ごせるようにしようね。もちろん、飼い主自身も定期検診を忘れずに!

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References: https://www.medicaldesigndevelopment.com/topics/equipment/news/22944321/alaskan-brown-bear-gets-huge-metal-crown-for-a-canine-tooth?utm_source=chatgpt.com[https://www.medicaldesigndevelopment.com/topics/equipment/news/22944321/alaskan-brown-bear-gets-huge-metal-crown-for-a-canine-tooth?utm_source=chatgpt.com]

本記事は、海外の記事を基に、日本の読者向けに重要なポイントを抽出し、独自の視点で編集したものです。

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