115mの断崖から転落し奇跡の生還を遂げた猫、救助したパイロット女性が家族に迎える
Best Friends Animal Society

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 アメリカ、ユタ州にあるブライスキャニオン国立公園で、カップルと飼い猫が、高さ約115mの断崖から転落するという事故があった。

 悲しいことにカップルは亡くなったが、12歳の猫、ミラージュはキャリーバッグごと落下し、奇跡的に生き延びた。

 飼い主を亡くしたミラージュは保護団体に託されたが、この時、捜索救助隊のパイロットを務めたチェルシー・トゥガウさんは、ミラージュを正式に引き取り、共に過ごすことを決めた。

観光地の展望台で転落事故、奇跡的に助かった一匹の猫

 2025年4月下旬、ユマシュー・ナネンさん(45歳)とベイリー・クレインさん(58歳)のカップルは、愛する飼い猫ミラージュを連れ、ユタ州南部のブライスキャニオン国立公園を訪れた。

 この国立公園は風雨の侵食でできた奇岩群が有名で、特に展望台「インスピレーション・ポイント」は観光客に人気のスポットだ。

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 2人は飼い猫ミラージュを入れたキャリーバッグを持ったまま、何らかの理由で柵を越え、約115m下の谷へ転落し、命を落とした。

 12歳のミラージュは、ソフトタイプのキャリーバッグごと転落したが、奇跡的に命をつなぎ、唯一の生存者となった。

 保安官事務所は「落下に関してあらゆる可能性を検討しているが、予備調査では転落の原因を決定的に特定することができなかった」とコメントしている。調査は現在も継続中だ。

 ナネンさんとクレインさんはフロリダ州に住んでいたが、最近はアリゾナ州で多くの時間を過ごし、死亡前はトラックで生活していたと見られている。

 救助に駆けつけた捜索救助チームは当初、転落地点にあったキャリーバッグをバックパックだと思っていた。だが、確認したところ猫が入っているのを見つけ、隊員たちは驚いたという。

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猫は重傷を負っていたが、懸命な治療で回復

 救助されたミラージュは、ユタ州カナブの動物保護団体「ベスト・フレンズ・アニマル・サンクチュアリ(Best Friends Animal Sanctuary)[https://www.instagram.com/bestfriendsanimalsociety/]」に運ばれた。

 初期診察では毛のもつれ、多数の打撲が確認され、詳しい検査で肋骨の骨折や歯の損傷もみられた。

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 さらに、ラスベガスの専門動物病院で診断を受け、心臓を包む膜の中に液体がたまっていたことが判明した。これは転落による外傷が原因とみられている。

 その後、懸命な治療が行われ、幸いなことに、ミラージュは完全に回復した。あとは剃った毛が生えそろうのを待つだけだ。

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救助したパイロットが新たな飼い主に

 捜索救助のパイロットを務めたトゥガウさんは当時を振り返り、「まさか生きているとは思わなかった。ひどい怪我をしていると思ったし、この先どうなるのか不安だった。でも、彼女が保護施設で適切な治療を受けられると知ったとき、とても安心した」と語っている。

 そして、ミラージュが回復し、新しい飼い主を探す段階に進んだことを知った、トゥガウさんは、猫を引き取る決意をした。

 譲渡先として真っ先に名乗りを上げ、ミラージュを家族に迎え入れた。

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 転落していたところを救助し、新たな飼い主となったことで、トゥガウさんはミラージュを2度救ったことになる。

 保護団体は「ミラージュは転落を生き延びた奇跡の猫。辛い経験をしたにもかかわらず、やさしい心を失わず、喉を鳴らし人を信じ続けている」とコメントしている。

 ミラージュは今、トゥガウさんの元でとても穏やかで幸せな第二の猫生を送っている。

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