
アマゾンの密林の奥深く、世界でもっとも危険にさらされた部族が住んでいる。古くからここで生活しているアワ族は、子どもから武器からペットまで、あらゆるものを運びながら、このブラジルの森の中を彷徨い歩いている。
そんな彼らは今、消滅の瀬戸際に追い込まれている。かつて奴隷として連れ去られたり、外部からもたらされた病気や農場を作るために土地を焼き払われたりすることで、その数はついに300~400人となった。
彼らはジャングルと完全に調和して暮らしている。アワ族の家族は、野生動物を大切にしてかわいがり、驚いたことに女性は自分の母乳を与えて彼らを育てるのだ。これまで現代世界と隔絶して生きてきた彼らは、ジャングルに守られてきた。そのため、アワ族に遭遇したことがある人間はほとんどいない。写真家のドメニコ・プリエセは、この稀有な部族と一緒に過ごして、彼らを笑わせることができたラッキーなひとりだ。
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Awa Amazon tribe
プリエセが初めてアワ族に会ったのは2009年のこと。友人のジャーナリストと人類学者一緒に2日間の川下りの旅に同行し、アワ族の住む手つかずの雨林に分け入った。
「彼らはモーターボートのエンジン音と聞きつけて、川岸に現われた。まるで別世界で、この衝撃を言葉で説明することはとてもできない」とプリエセは語る。奇妙な侵入者のことを、アワ族の人たちがどう思ったのか、すぐにはわからなかった。