
犬は仲間と遊ぶことで、相手の行動を観察し、同じ様な行動を取るようになることが最近の研究から判明した。この研究から、なぜ犬が人間のベストフレンドとして最適な動物なのかが分かるという。
例えばいつもニコニコと笑っている人のそばにいると、なぜか自分の心まで温かくなってくる。逆にギスギスと怒っている人がいると、そこにいる人たちが皆、険悪なムードになる。これは心理学の用語で『情動感染』と呼ばれるもで、人の感情や気分は周囲に伝染することを意味するが、実は犬が仲間の行動のまねることも、この情動感染と関係がある可能性がでてきた。
社会的動物は、目や、口や、歯や、頭や、尻尾や、体などいろいろな部位を使ってコミュニケーションをとっている。中でも無意識で相手の顔の表情をまねたりする行為は、人間やチンパンジー、オラウータンや他の霊長類などで良く見られるが、これも情動感染によるものだ。
イタリアのピサ大学社会生物学者のエリザベッタ・パラジ教授率いる研究チームは、飼い主の了承得て、ドッグパークで遊んでいる49匹の犬を対象にその行動を観測した。
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「犬本来の行動を研究したいなら、彼らを自然な状況下に置くことが大切です。研究室で行う実験も大切ですが、そのような場合は何かしらの制限が出てしまいます」とエリザベッタ・パラジ教授はそう語る。
また、飼い主たちに、「犬同士が近くに住み週に3回以上交流することがある友達なのか」それとも「月に2回以下しか会うことのない知り合いなのか」または「初めて接する相手なのか」など、飼い犬と他の犬との関係性も聞いた。