
ネズミの声といえば日本では「チューチュー」という擬音があてられるが、実際には人間には聞こえないたくさんの音を発している。
彼らは人間の可聴域外の超音波発声をしているのだ。そしてその声で様々なコミュニケーションをとっている。時に歌うことだってあるんだ。
オーストリア、コンラート・ローレンツ研究所の科学者らは新たなツールを開発し、ネズミの声の音節や歌を素早く特定することに成功したという。
【新たなるツールでネズミの超音波音声を素早く特定】
ネズミの超音波発声は、子どもの頃は母親の注意を引くため、大人になると社会的なコミュニケーションをするためのものだ。
その音域は5オクターブもあり、オスの発声はフレーズや音節を繰り返す鳥の鳴き声に似ていて、メスへの求愛や交尾のときにこうした声を出す。一方、メスは求愛者が仲間かどうかを判断するために発声する。
だがこうした鳴き声のほとんどは人間には聞こえないので、ネズミの行動との関連について研究するのは困難だった。
これまでは、鳴き声の録音を延々と手分析するしかなかったが、研究者が自由に手に入れることができる新たなツール「マウス超音波探知機A-MUD」によって、自動分析が可能になり、ネズミの音節や歌を素早く特定できるようになった。
これがその探知機を使って録音されたハツカネズミの超音波の声だ。まずオスが求愛する歌が聞こえてきて、次にメスがそれに答える音が録音されている。