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2017年、オウムアウアが太陽系に飛来したとき、それは史上初の恒星間天体と認定された。
記録にも記憶にも残る出来事だったのだが、はたして本当に史上初だったのだろうか?
少なくとも、ハーバード大学のアビ・ローブ氏らはそのことを疑っている。彼らが『arxiv.org』で発表した未査読の論文では、「2014年1月6日、オウムアウアより先に地球に飛来した恒星間天体があった」と主張されている。
それによれば、「より小型の恒星間天体ならずっと豊富にあり、気が付けるくらい十分頻繁に地球と衝突している」らしい。
【2014年に恒星間天体が地球に衝突】
最近「より小型の恒星間天体」が地球に衝突したかどうか調べるため、ローブ氏らはNASA地球近傍天体研究センター(CNEOS)のデータを分析した。
ある天体がある惑星系の重力を振り切り、そこから別の惑星系へ移動するためには、天体は高速で移動していなければならない。そこでローブ氏らが探したのも、そうした高速で移動する天体だった。
そして注目されたのが、2014年1月6日にパプアニューギニアのマヌス島付近に落下した隕石だ。
大きさは幅0.9メートル程度だが、時速21万6000キロと「衝突前の日心速度が異常なまでに高速」だったことから、太陽に縛られていないことが窺えた。
シミュレーションで隕石のそれまでの軌道を計算してみると、それが地球に到達するまで他の惑星と実質的な重力の相互作用がなかったことが判明。つまり、それが太陽系外に起源を持つだろうことが示されていた。