なぜこんなところに?海のド真ん中で犬を発見!助けを求めて作業員の方に泳いできたところを無事救出(タイ)


 溺れた子どもを犬が助ける、という話はよくある。実際には溺れていたわけではなかったという場合も含まれるが。
そんな例はこれまでにも何度かご紹介してきた。

 また逆に、池やら川やらにはまった犬を人間が救う例もある。犬ではなくてオオカミだったという場合も含めて。

 さて今回は、「人間が犬を助けた」側の話だ。オオカミやキツネを間違えたのでもなく、正真正銘の犬である。

 ただ、その事件の起こった場所がちょっと変わっていたのだ。
海岸から220km離れた海の真ん中だったのだから。
【海の真ん中を泳いでいた犬】

 タイの沖合い、海岸から220kmの地点に、シェブロン社による石油掘削のためのプラットフォームがある。

 ある朝、このプラットフォームで働く作業員が、奇妙なものを発見した。どこから現れたのか、犬が一匹、こちらへ向かって必死に泳いでくるのだ。

 プラットフォームの土台にしがみついた犬を助けようと、作業員たちは走り回った。人間が近づけない場所だったのだ。
そして15分後、犬の身体に投げ縄をかけることに成功した。

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Dog Rescued From Oil Rig 130 Miles At Sea

【まずは無事に救助】

 ようやくプラットフォームに犬を引き上げた頃には、海が荒れ始めていたそうだ。間一髪だったのだ。

 とりあえず乾かされた犬は、吠えるでも暴れるでもなく、落ち着いた様子である。作業員たちは、犬に水と肉、寝床、そして名前を与えた。

 「ブーンロード」というのが新しい名前だ。
これはタイ語で「よい業(カルマ)のおかげで生き延びた者」という意味だそうだ。

 「犬の目はとても悲しげでした。『どうか助けてください』と言いたげに、私たちを見上げていたのです」と作業員の一人、ヴィティサック・パヤロウさん。「あの時(犬の目を)見た人なら誰であれ、助けずにはいられなかったでしょう」

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【良かった!犬の健康に異常はなかった】

 それから2日後、元気になったブーンロードは船で岸へと向かった。岸では、地元の保護団体「ウォッチドッグ・タイランド」のスタッフが待ち受けていて、ブーンロードを病院へ連れて行った。

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 動物病院の医師は、ブーンロードには健康上の大きな問題はないと保証した。
ただ、もう少しの間、シェルターで安静にしている必要がある、と。

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【引き取り手がいなかったら、発見した作業員が飼うことを決意】

 シェルターで完全に健康を取り戻した後は里親探しということになるのだが、ブーンロードの場合にはどうやら心配する必要はなさそうである。

 前出の作業員、パヤロウさんが、他に引き取り手がなかった場合には、自分で引き取ることを考えているのだそうだ。

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 ブーンロードはタイ語もその他のどんな人間の言語も話せないので、海の真ん中で泳いでいた理由については、結局のところ推測するしかない。

 だが、バンコック・ポスト紙の「トロール漁船から誤って落ちたのだろう」という推測が妥当なようだ。

References: Bangkok Post など / written by K.Y.K. / edited by parumo

記事全文はこちら:なぜこんなところに?海のド真ん中で犬を発見!助けを求めて作業員の方に泳いできたところを無事救出(タイ) http://karapaia.com/archives/52273788.html