言いたくても言えない...そんな人の為の口論代行サービスが中国の通販サイトで販売中

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 生きていれば腹の立つことだってあるだろう。怒りの感情を持つこと自然なことだ。
上司や同僚や家族にイライラ。嫌な友人にも一言文句を言ってやりたい…

 だが、面と向かってそれを言ったら角が立つし面倒なことになる。結局は怒りをぐっとこらえて、自分からは何も言えないという人も少なくない。

 怒りの感情を爆発させるのにもかなりのエネルギーが必要だ。だが、自分の代わりに怒りをぶつけてくれる代理人がいたらどうだろうか?

 でも、自分の代わりに誰かがイラつく相手に喧嘩をふっかけてくれるのなら、多少は気が収まるのではないか?

 もしかしたら、代理人が自分の代わりに問題解決だってしてくれるかもしれない。しかし、そんなうまい話はそうそうあるわけないと思うのが普通だ。
ところが、中国にはあるのだ。
【口論代行サービスが中国のネット通販サイトに登場】

 中国の通販サイトTaobaoo (淘宝網)は、アジア最大のショッピングサイトと謳われているだけあって、欲しい物がなんでも購入できるようだ。

 エルフの耳のイヤホンや宿題をノートに素早く書いてくれるロボット、自分の代わりに好きな食べ物を食べてくれる人を雇うサービスまである。

 今回、Taobaoで新たに追加されたサービスが「プロによる代行口論」だ。

 依頼主は、このサービスを使って、全く見知らぬ人を自分の代わりに口論させたり、単なる嫌がらせをさせたりするために雇うことができる。

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【口論代行は電話かチャットで】

 Taobaoで検索するには、喧嘩代理という意味を示す「代骂架」や「代吵架」といった特定の言葉を入力しなければならないが、一旦サイトが出てくると、だいたい5元(約80円)~20元(約320円)の相場で、代わりに口論や議論をしてくれる様々なプロの口論家からの何十件ものオファーが閲覧可能だ。


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 とは言え直接対戦相手と顔を合わせることはない。サービス提供者は全て電話もしくはWeChatメッセージを通して代行する。誰だって見知らぬ相手と対面して喧嘩などしたくないものだ。

【その内容と品質は?】

 さてその品質はどうなのか?もし、口論で相手に言い負かされたりした場合には返金も可能なのか?といった疑問も多々生じるだろうが、やはりここは両者の条件が一致して初めて取引成立となる。

 一部では、依頼主と取引をする前にスクリーニングシステムを取っているという。依頼主がどんな種類の議論を望んでいるのか、また何を主張してほしいのか、どのぐらいの期間続けてほしいのかなど、詳しい情報が必要とされる場合もある。


 Taobaoに記載されてある広告によると、ターゲットに怒りの電話やメッセージをする場合は20元(約320円)、1日中迷惑コールをする場合は40元(約650円)、更に1週間24時間ぶっ通しで相手への「ヘイトコール」を続けたい場合は100元(約1610円)の費用がかかるとのことだ。

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【嫌がらせ行為は違法なのでこっそりと闇決済】

 取引が成立すると、依頼人はWeChatやQQといった第三者サービスを介入させて支払いを行う。

 Taobaoが利用している支払いアプリ「Alipay」のセキュリティサービスは非常に厳格なため、こうした類のサービスは目がつけられやすいそうだ。万が一、契約がTaobaoのリーガルチームに漏れてしまうことになれば、最悪の場合警察の介入も免れない。

 中国では、嫌がらせ行為は公序良俗に反する立派な犯罪行為で、処罰も重い。せっかくの代行サービスが台無しにされてはたまらないために、こっそりと取引を済ませなければならないというわけだ。


 この代行サービスが、今後、法の目をかいくぐりいつまで続けられるかは予想もつかないが、提供者の数の多さを見る限り、需要は高いようだ。

References:asiaone/ written by Scarlet / edited by parumo

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