ひづめが曲がって伸び放題。10年以上監禁状態だった馬が保護され、絶望が希望に代わるまでの物語(アメリカ)

Days End Farm Horse Rescue/Facebook
 今から4年ほど前に、管理不行き届きの農場から救出・保護された2頭の馬たちがいる。

 馬の蹄(ひづめ)は、およそ1メートルにもなろうかというぐらいに伸びきっていて曲がっていたため、馬は動くこともままならず、10年以上にわたり馬小屋で監禁同然の状態だったという。


 保護した団体スタッフや獣医師が大きなショックを受けるほど、馬の健康状態は酷く、少なくとも15年間医療的ケアを受けていないことがわかった。

 その後の献身的な世話により2頭の馬は完全に回復する。この物語は、絶望的状況の中、かろうじて生きているだけの馬が、人間に支えられ、再び自由に駆け回れるようになるまでの記録である。
【馬小屋に監禁状態だった3頭の馬が保護される】

 2015年、アメリカのメリーランド州ワシントン郡にある愛護協会スタッフは、ウッドバインのとある農場が動物たちを飼育放棄しているという報告を第3者から受け、8月21日に農場へ出向いた。そこで、スタッフらは驚くべき光景を目にした。

 農場にあった馬小屋の中には馬の排泄物が散乱し、肥料と一緒に山積みになっていた。
更に最悪なのが、そのような不衛生極まる環境の中で、馬たちは10年以上にわたり監禁状態で飼育放棄をされ続けていたことだった。

 どの馬も背骨が浮き出るほどの栄養失調状態であることは一目瞭然だったが、そのうちの1頭は、靭帯が激しく損傷しており、関節に修復不可能なほどのダメージを与えてしまっていたことから、獣医師により止む無く安楽死となった。

【長年手入れをされていない蹄は伸びすぎて湾曲】

 他の2頭は、長い間手入れをされていなかった蹄(ひづめ)が1メートルほどに伸びて曲がっていた。その重さ、なんと14kgもあったそうだ。

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Horse With Overgrown Hooves Rescued From Barn | The Dodo

 馬たちを診察した医師も、ここまで飼育放棄された馬は見たことがないと大きなショックを露わにした。推測では、馬たちは少なくとも15年間は、医療ケアを一切受けていない状態だったようだ。


 愛護協会のスタッフたちは、馬を移動させる前になんとか蹄をトリミングし、リハビリ治療のために非営利団体『Days End Farm Horse Rescue』へと2頭を運んだ。

 25年以上にわたり、2100以上の動物たちの保護と治療に努めてきた同団体でさえ、「この出来事はかつて目にしたどんな状況よりも酷い」と口にするほど馬の状態は悪かった。

【それから4年、2頭は完全回復。普通の馬として走り回れるように】

 保護されてから4年弱の年月が過ぎた今、2頭の馬たちの人生は大きく変わっていた。

 Days End Farm Horse Rescueのフェイスブックには、そのうちの1頭でクエストと名付けられた白い馬の写真が投稿されてあり、このように綴られている。

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クエストは、ここに来た瞬間から回復を決して諦めませんでした。
その4か月後には既にリハビリを終え、私たちを驚かせてくれました。

少し前までは歩くこともままならなかった馬が、今ではとても元気になったのです。クエストのストーリーが、多くの人をインスパイアしたことは喜びですが、私たちの心を何より温かくしたのは2017年の秋にジェニーという素晴らしい飼い主がクエストに見つかったことです。

クエストとジェニーは、今とても幸せに過ごしています

References:nydailynews/ written by Scarlet / edited by parumo

記事全文はこちら:ひづめが曲がって伸び放題。10年以上監禁状態だった馬が保護され、絶望が希望に代わるまでの物語(アメリカ) http://karapaia.com/archives/52275942.html