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不倫とは、もともと倫理から外れたこと、人の道から外れたことを意味する。最近では主に、一夫一妻制の元に結婚しているのに、配偶者以外の異性と関係を持つことに用いられている。
一生あなただけを愛すると誓ったのに、実際は配偶者を欺いていることにわけだが、どうやら不倫をする人は、仕事でも不正行為を行うことが多いのだそうだ。
不倫と職務上の不正行為とには相関関係あるという研究結果が発表された。
【既婚者向けの出会い系サイトの顧客情報を元に徹底調査】
アメリカ・テキサス大学オースティン校の研究チームは、「人生は一度きり。不倫 をしましょう」をスローガンに掲げる、既婚者向けの出会い系サイト「アシュレイ・マディソン」で、警察官・フィナンシャルアドバイザー・知能犯罪者・経営役員の記録を調べてみた。
同サイトは2015年にハッキングを受け、3600万人分の顧客情報が流出するという事件があった。流出した顧客情報はパブリックドメインで公開されるようになったのだが、研究チームが調査したデータもこれだ。
さらに「市民警察データプロジェクト(Citizens Police Data Project)」、「金融業界規制当局ブローカーチェック(Financial Industry Regulatory Authority BrokerCheck)」 、米証券取引委員会(SEC)の訴訟リリースアーカイブ、「エグゼキュコンプ(Execucomp)」といったデータベースから1万1235人の個人データを集めた。
【既婚者向け出会い系サイト利用者は2倍も不正に手を染めていた】
分析の結果明らかになったのは、アシュレイ・マディソンの利用者は、企業の不正行為を行う率が非利用者の2倍にも上るということだ。
職業上の不正行為を行なった人物とそうした経歴のない人物を年齢・性別・経験、あるいは役員であるかどうかや文化等の変数で調整した場合であっても、不正行為を行なった経歴のある人は、アシュレイ・マディソンを利用していることが有意に多かった。
結局、人を欺くことができる人は、それがプライベートな場であろうと、職場であろうと関係がないということらしい。
さらにこの研究結果は、職場でセクハラをするような人を追放すれば、職業上の不正行為を予防できる可能性すらも示唆している。
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この研究に携わったサミュエル・クルーガー氏はこう話している。
今回の結果は、ある人の性的な行動は職業上の行為と相関していることを示しています。職場での性的な違法行為をなくせば、企業倫理一般高められるという思わぬ効果もあるかもしれません
確かに人生は一度きり。だからこそ、ちょっとした火遊びのつもりで人生を炎上させてしまうのはつまらない、って考え方もあるかもだ。
この研究論文は『Proceedings of the National Academy of Sciences』(7月30日付)に掲載された。
References:Marital infidelity and professional misconduct linked, study shows/ written by hiroching / edited by parumo
記事全文はこちら:不倫をする人は、仕事でも不正行為を行うことが多いという研究結果(米研究) http://karapaia.com/archives/52277709.html