ビンビンになると噂の地衣類を食べる人が続出中。毒性があるので危険と植物学者が注意喚起(ニュージーランド)

Farbenfreude /wikimedia commons
 なんでも最近、ニュージーランドで一般的に見られる地衣類を食べる人がいるらしく、やめたほうがいいと植物学者が警鐘を鳴らしている。
 
 問題の地衣類は、オタゴ大学の地衣類学者アリソン・ナイト博士が「路上のセクシーゴケ」と呼ぶものだ。
なお”コケ"といっても、苔類と地衣類は構造的に別物であることに注意してほしい。

 このセクシーゴケには天然のバイアグラ効果があると噂されており、ニュージーランドの男性が道路沿いに生えたこの地衣類をこっそり食べているというのだ。だがこれには若干の毒性があるという。
【天然のバイアグラと称されるキクバゴケの仲間】

 街中の道路に自生しているというこのセクシーゴケ、何がそんなに「セクシー」なのか?

 じつはバイアグラに似た性質があるらしく、特に中国で天然のバイアグラとして人気があるらしいのだ。
 
 それはキクバゴケの仲間(Xanthoparmelia scabrosa)で、これを粉末や錠剤にしたものが、アリババをはじめとする中国のネットショップで1キロ1200~30000円程度で無数に販売されている。

 ところが、若干の毒性がある。だから部分的には元気になるかもだが、体全体は弱ってしまう。生を選ぶか、性を選ぶか、それが問題というわけだ。

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【効果や安全性は不明】

 ナイト博士によると、ネットショップで売られている大抵の製品は8割程度のバイアグラと2割のセクシーゴケを混ぜたものであるらしい。

 ただし彼女が知るかぎり、セクシーゴケが人体に発揮するセクシー効果や安全性がまともに調べられたことはない。

きちんと確かめられたことはありません。それから若干の毒性があります。
だから服用はオススメできません。バイアグラの前駆体なのですが、大量になればとても有害である可能性があります(ナイト博士)


【大きな可能性を秘めた地衣類】

 一方で、セクシーゴケに薬効効果が絶対に期待できないというわけでもない。

地衣類は大きな可能性を秘めており、たとえば既存のものにかわる次世代の抗生物質として利用できないか、いくつもの研究が行われています

 世界には2万種以上の地衣類が存在する。うち2000種はニュージーランドに自生しており、陰の多い小道や果樹の幹、天然林などで見られる。

 そして同国固有の生物相の多くと同じく、そうした地衣類にも絶滅が危惧されていたり、脅威にさらされているものがある。

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 「地衣類に注目が集まるのはいいことです。」とナイト博士。

地衣類はあまり理解が進んでいませんし、報告も少な目です。ほとんど知られていませんが、とても重要なんです。地球の開拓者としてね。むき出しの岩に最初に住み始めたのは地衣類です。海から生命が上陸したとき――そこには地衣類がいました。

References:inews / newsroom/ written by hiroching / edited by parumo

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