アメリカには、各州に“シェルター”と呼ばれる多くの動物保護施設が存在するが、地域によっては既に満員の状態で、病気だったりすぐに新しい飼い主が見つからなかったりした場合、預けられた犬猫たちには安楽死処分が待っている。
そんな悲しい現実から少しでも多くの犬猫たちを助けようと、救助の手を差し伸べる非営利の保護団体が存在する。
去年4月に、オハイオ州のシェルターに運ばれて来た1匹のビーグル犬も、病気を患い、安楽死処分が決定していた。
しかし、すんでのところで1組の夫婦に命を救われた。犬は、自分がもう安全であることを悟ったのだろう。救助してくれた男性に、感謝と喜びのジェスチャーを繰り返した。
【2歳のビーグル犬がシェルターで安楽死処分予定に】
2018年4月25日、野良犬だった2歳のビーグル犬グレゴリーは、オハイオ州のフランクリン郡動物保護施設に連れて来られた。
最初、施設スタッフはグレゴリーの健康状態が問題ないように見えたが、後日検査をしてみるとフィラリアの陽性反応が出たため、安楽死処分にすることを決めた。
その頃、同州フィンリーにある非営利団体「HOUND Rescue and Sanctuary」を運営するシェンリー&ジョー・カークさん夫妻は、いつものように定期的に周辺地域の保護施設をチェックしていて、グレゴリーの安楽死処分のことを知った。
夫妻は、安楽死処分寸前の犬を施設から引き取り、飼育放棄された犬には新しい飼い主を見つけ、また引き取り手がない犬や高齢の犬、野良犬たちには、自分たちの施設で最期まで面倒をみていた。
夫妻はすぐにグレゴリーを救助すべく施設に連絡を取り、5月1日にジョーさんは車で2時間ほどかけてグレゴリーを迎えに行った。
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【安楽死を免れたグレゴリー、喜びを体で表現】
普段動物たちを施設へ迎えに行く時は、ジョーさんたちはクレートに乗せて移動させている。
しかしグレゴリーを見て、長い間施設で檻に入れられ気の毒だという思いが湧いたのだろう。クレートには入れず、車の後部座席に乗せた。
そしてフィンリーへ戻ろうと運転していると、「もう安楽死させられる必要はない」と悟ったのか、グレゴリーはジョーさんに近付いて、まるで救われた喜びと安心を表現するかのように、ジョーさんの肩に激しく顔をすり寄せてきた。
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全身で喜びを表すジェスチャーの嵐を受け取ったジョーさんは、フェイスブックに
最高の写真が撮れました!グレゴリーは、もう安全だということを知っています!こんなに喜んで感謝の気持ちを伝えてくれていますよ!
と投稿。
その写真を見たユーザーらからは、
・ほんとだ!最高の写真だね。フレームに入れて飾らなくちゃ!!
・犬を救ってくれて本当にありがとう!
・グレゴリーの顔が全てを物語っているね。
・安楽死処分される動物たちを全て救えたらどれほどいいか…。どの動物にも、素敵な飼い主が見つかればいいのに。
・こんなキュートな子が、安楽死寸前だったなんて…。
・グレゴリーに新しい人生を与えてくれてありがとう!あなたたちは素晴らしい。
・この犬がこれからずっと幸せに暮らせますように。
といったコメントが相次ぎ、グレゴリーを救助したジョーさんとシェンリーさんに多くの称賛の声が寄せられた。
【治療を経て新たな飼い主のもとへ】
グレゴリーは、ジョーさんとシェンリーさんの施設で、順調に新しい生活をスタートさせた。同時に、獣医院でフィラリアの治療を数か月にわたり受けた。
間もなくして、コロンバスに住むカップルがグレゴリーを引き取りたいと、ジョーさんとシェンリーさんにフェイスブックを通して連絡してきたことで、治療を終えたグレゴリーは、新しい飼い主のもとへと引き取られていった。
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そのカップルは、別のビーグル犬を飼っており、嬉しいことにグレゴリーとそのビーグル犬はとても仲良しになったそうだ。
シェンリーさんとジョーさんによって、グレゴリーのように安楽死処分寸前で命を救われた犬たちは数えきれない。
救われた犬たちが、幸せに過ごしていく姿を見ることが、私たちには幸せです。この幸せがあるからこそ、価値のあることだと尽力して救済活動を行っています。救いを必要としていた犬たちが、救助された時に見せてくれる感謝や愛情は、私たちにはまさにプライスレスなのです。
References:TODAYなど / written by Scarlet / edited by parumo
記事全文はこちら:安楽死寸前で男性に救助された犬、全身全霊で感謝の気持ちを表現(アメリカ) http://karapaia.com/archives/52282407.html