
古墳をがしがし発掘しまくりたい考古学者たちは今、伝統的な探索テクノロジーに回帰しつつあるそうだ――つまり犬のことだ。
麻薬や爆発物の探知など、人類のベストパートナーたちはその強力無比な嗅覚を活かしていろいろな分野で活躍しているが、遺跡の発掘調査に参加しているという話はあまり聞かない。
しかしクロアチア、ザダル大学の考古学者ヴェドラナ・グラバシュ博士は、遺体捜索犬ならば古墳の発見もお手の物なのではないだろうかと考えた。
そして、どうやら彼女のカンは当たっていたようだ。
【先史時代の遺体を犬は嗅ぎ当てられるのか?】
アドリア海に面したクロアチア、カルロバッグの丘の上に建てられた紀元前8世紀の要塞Drvišicaは、すでに共同墓地の調査が進められている発掘現場だ。
墓に埋葬されていた棺の中からは、非常に保存状態が良好な指の骨や歯などが見つかっている。
だがいくら犬といえども、とっくの昔に腐り果て、わずかしか残されていない人間のこうした遺体を嗅ぎ当てることはできるのだろか?
確かに、第二次世界大戦の頃から墓地の捜索に使われてきた実績が犬にはある。19世紀の墓を発見したこともある。だが、ここで問題にしているのは先史時代の墓なのだ。
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【人間の遺体は長期にわたりニオイを出し続けている】
『Journal of Archaeological Method and Theory