保護犬のラベルをビール缶に貼って里親探し。ビール醸造会社が地元の動物救済団体と提携(アメリカ)


 アメリカでは、地域にもよるが、シェルターと呼ばれる保護施設にいる引き取り手がなかなか見つからない犬たちは、最終的に安楽死させられることも少なくない。

 州によっては保護団体と協力し、殺処分ゼロを目指したノーキル運動が積極的に行われているが、今度は企業がその運動に名乗りを上げた。


 ノースダコタ州のあるビール醸造会社は、地元の動物救済団体と提携し、ビール缶に保護犬のラベルを貼って、里親探しに協力することにしたのだ。
【ラベル印刷会社に勤める動物好きの男性のひらめき】

 ノースダコタ州ファーゴにある非営利動物救済団体『4 Luv of Dog Rescue』で、ボランティア活動をして4年目になるジェラード・ライアンさんは、『Northern Plains Label』というラベル印刷会社で日々の仕事に携わっていた時、ふとある考えが頭をよぎった。

 ライアンさんの会社では、地元にあるファーゴ醸造会社(Fargo Brewing Company)のラベルをビール缶に印刷している。醸造会社が自社のロゴを貼る代わりに、飼い主を求めている保護犬のラベルを貼ってくれれば、より多くの犬に里親が見つかるのではないかと。

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【醸造会社は二つ返事でOK、実現した犬の写真付きビール缶】
 
 結果、ファーゴ醸造会社(Fargo Brewing Company)は二つ返事でその案に賛成。4 Luv of Dog Rescueと提携し、6匹の犬の里親探しに協力する計画を現実にした。


 今回、里親募集のターゲットになったのは、「One-der(ワンダー)」と名付けられた6匹の犬たちだ。

 この6匹は、施設の中でも特に社交的とはいえない性格のため、他の犬たちと共存することが困難で、スタッフらは他の動物を飼っていない引き取り先を探さなければならない。

 しかし、そうした条件がより一層犬たちに新たな飼い主が見つかることを困難にしているという状況なのだという。

 こうして誕生したのが、里親募集中の6匹の犬の写真が印刷されたビール缶である。

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【ビールの売り上げの一部は動物保護施設へ寄付】

 キュートな犬のラベル缶のビールが棚に並んでいると、犬好きの消費者なら思わず手に取ってしまうだろう。ビール会社の販売戦略のように思えるかもしれないが、これはれっきとした犬の保護活動支援である。


 同会社は、このキャンペーンのために特別に40ケース生産し、そのうちの25ケースは11月4日の特別展示イベントで販売されたそうだ。

 残った缶は地元のバイヤーが購入する予定になっているという。さらにそれらの収益の一部は4 Luv of Dog Rescueに寄付されるということだ。

 里親探しをしている6匹の犬たちはこちら。

ジャック・ラッセル・テリアのニックス(8歳)
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アメリカン・ピット・ブル・テリアのミックス、ヴァージニア(6歳)
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ポメラニアンとチャウチャウのミックス、モビー(11歳)
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ボクサーのミックス、ビジー(3歳)
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アメリカン・ピット・ブル・テリアのミックス、ホビー(2歳)
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スタッフォードシャー・ブル・テリアのミックス、ジェンセン(2歳)
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 なお、この限定ビールは犬たちに里親が見つかるまで、醸造会社の方で生産を続けていくという。

References:Mental Flossなど / written by Scarlet / edited by parumo

記事全文はこちら:保護犬のラベルをビール缶に貼って里親探し。
ビール醸造会社が地元の動物救済団体と提携(アメリカ)
http://karapaia.com/archives/52284428.html