
イタリアでは食事の前に食前酒を楽しむ習慣がある。美味しいイタリア料理に良く合うワインも各種取りそろっていて、ワインは日常に欠かせない飲み物だ。
そんなイタリア人にとっては神の恵みと思えるかもしれないが、普通に考えたら不気味な珍事が起きたようだ。
イタリア北部カステルベトロ町にある20軒の民家で、水道の蛇口をひねったら赤いスパークリングワインが出てきたのだ。
このワインは約3時間ほど流れ出ていたそうだが、それにはちゃんと理由があったようだ。
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Wine pours out of taps for lucky village residents in Italy
【民家の蛇口から突然赤い液体が!】
3月4日、イタリア北東部エミリア・ロマーニャ州モデナのカステルベトロ町で、民家の蛇口から水の代わりに赤い液体が出るという事態が起こり、住民を驚かせた。
この赤い液体は、赤のスパークリングワインだったことが判明。しかも他の国ではあまり販売されていないが、イタリアでは約2000年以上前のエリトリア時代から存在しているとされる『ランブルスコ・グラスパロッサ・ディ・カステルヴェトロ』という名産品だった。
ちなみに流出したワインの量は1000リットルで、3時間ほど流れ続けたそうだ。
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RemiBoussico/pixabay
【地元ワイナリーの技術的ミスで上水道に流入】
一体何が起きているのか?住民らは一瞬戸惑い、神の仕業?と思ったほどだ。
しかし実際のところは、セッティカーニワイナリーという地元ワイナリーのワインが上水道に流入してしまったことが原因だった。
微発砲のランブルスコを収容しているサイロの1つが水道管に漏れ始め、より高い圧力のためにシステムを介してワイナリーの近くにある村の各民家の水道管にワインが流れ込み、蛇口をひねると水の代わりに赤いワインが出たというわけである。
この珍事に、水道局から技術者がすぐに派遣され、問題解決に努めた。迅速な対応のおかげで、すぐに赤ワインの漏れは止まり、再び蛇口からは水が流れるようになった。
一部のワイン好きにはうれしい珍事だったかもしれないが、別の住民からは、この事態を水道が「汚染」されたとして、給水の潜在的な安全性と品質についての苦情を寄せたため、地元議会は住民らに謝罪する結果となった。
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Quadronet_Webdesign/pixabay
【かつてイタリアではワインの出る蛇口が設置されたことも】
ちなみに2016年、キリスト教徒の巡礼を活性化させるための支援プロジェクトの一環として、イタリアの巡礼ルートに24時間365日誰もが利用できるワインの出る蛇口が設置されたことが大きな話題になった。
今回の出来事は、まったくもって偶然の技術的欠陥によるものだが、蛇口からワインが水のように出る状況を想像しただけでも、ワイン好きにはたまらないニュースといえるかもしれない。
References:lifestyle.など / written by Scarlet / edited by parumo
記事全文はこちら:蛇口をひねったら水の代わりにワインが出てきた!どういうことだってばよ?(イタリア) http://karapaia.com/archives/52288632.html
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