ハッカー集団「アノニマス」が、「疫病のノストラダムス」と呼ぶビル・ゲイツに書簡


 ついに世界の感染者数累計が100万人を突破してしまった新型コロナウイルス。世界中の研究者がその治療薬やワクチンの開発に懸命に取り組んでおり、あのビル・ゲイツ氏もその支援に乗り出している。


 ゲイツ氏は数年間から将来的なパンデミックの危険性について警鐘を鳴らしていた。

 たとえばゲイツ氏はかつてTED Talkで、私たちが心配せねばならないものについて、「ミサイルではなく、疫病です。私たちは次のパンデミックに対する備えができていない」と語っていた。
 
 より最近では、ワシントンポスト紙への寄稿の中で、感染症の拡大を防ぐために、政府は全国的な封鎖政策を敷くべきだと主張していた。
【アノニマスからゲイツ氏宛の公開書簡】

 先日、こうしたゲイツ氏の主張に目を留めた国際的ハッカーグループ「アノニマス」から、彼宛の公開書簡が公表された。

 書簡の中でアノニマスは、ゲイツ氏が感染者を追跡する監視システムなど、厳格な対策を主張してきたことを指摘し、こう述べている。


歴史的なパンデミックの渦中において、世界中の大勢の人たちが、あなたなら解決してくれるのではと注目している。それは確かなことのように思える。なぜなら、あなたが自ら進んで疫病のノストラダムスの地位に就いたからだ。


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【パンデミックは感染者の監視システム導入を正当化するか?】

 一見、ゲイツ氏に期待しているかのようなアノニマスだが、書簡には警戒の色が滲んでいる。ゲイツ氏は、ネット掲示板RedditのAMA(なんでも聞いて)に登場した折、「全国的な感染者追跡システム」の導入を提案しているからだ。

今、世界中の怯えた人々は解決策を求めており、あなたのような人たちがその答えをくれるのではと注目している。
そうした中、あなたは感染者を追跡する監視システムといった極めて厳しい対策を主張してきた。
 
もちろん、世界的パンデミックという状況においては、いずれも必要不可欠な対策であるように思われるし、ウイルスが現実的な脅威であることも確かだ。

しかし、そうしたシステムを導入した中国をはじめとする国家では、それに続いてすぐさま人権が侵害されるようになった。我々はそれを懸念している

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 全世界を巻き込んでの新型コロナウイルスパンデミック。確かに感染者を追跡するようなシステムが導入されれば、クラスターがどこで発生したのか把握しやすくなるだろう。だがそれは個人情報と引き換えとなってしまう。


 個人の情報を守るのを優先するのか、疫病の感染拡大を防ぐのを優先するのか、その判断は難しく、各国政府が頭を悩ますところだろう。
 
 ゲイツ氏はマイクロソフトの取締役を退任し、慈善活動に専念すると発表したばかりだ。また、先月、慈善基金団体『ビル&メリンダ・ゲイツ財団』は、多額の資金を投じて、新型コロナウイルスの家庭用検査キットを提供するプロジェクトを実施する予定があることを発表している。

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 ゲイツ氏は、先日自身のブログ、「What our leaders can do now | Bill Gates」に「アメリカが新型コロナウイルスの拡大を防ぐチャンスを逃したことは明らかだ。だが、重要な決断を下すチャンスはまだ閉ざされていない」と書いた。

 それによると、全国的なロックダウン(封鎖)を一貫して行うこと、検査を増やし誰を優先的に検査するか明確な基準を作ること、治療法やワクチンの開発に対しデータに基づいたアプローチをすることだそうだ。


 またゲイツ氏はつい最近、新型コロナウイルス感染症に最も効果が期待される7種類のワクチン候補を選びだしそのすべての工場への資金援助を行うことを発表した。

 例えうまくいかず、数十億ドルを浪費することになっても、時間を無駄にするよりは効果あるワクチンをいちはやく見つけ出すことには価値があるとしている。

References:express./ written by hiroching / edited by parumo

追記:(2020/04/05)本文を一部訂正して再送します。

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