
殺し屋を雇って自殺に偽装した男性 elslucker/pixabay
インドのデリーで発見された男性の首吊り遺体。一見自殺のように見えたが、両手を縛られていたことから、警察が殺人事件に切り替えて捜査を開始したところ、この男性を殺害したとされる4人の男たちが容疑者として浮上した。
この4人、どうやら殺し屋として雇われたようなのだが、その雇い主というのが遺体となった男性だったのだ。『hindustantimes』などが伝えている。
【コロナ禍で借金を抱えていた男性】
インドのデリー東部で食料品店を経営していたガウラフ・バンサルさん(37歳 報道により40歳とも)は、コロナ禍の影響で莫大な借金を抱えることとなり、その返済に行き詰っていた。
精神状態にまで大きく影響を受けたバンサルさんは、うつ状態となり、絶望した結果自分の命を絶つことを決心した。
6月9日に家を出たまま行方不明となったバンサルさんを心配した家族は、10日に地元警察に行方不明届を提出。
その後間もなくして、変わり果てたバンサルさんの姿が発見された。
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【自殺?それとも殺人事件?】
10日の午前8時半頃、デリー郊外のナジャフガル地域にある湖近くの木で首を吊った男性の遺体が発見された。
ポケットのID(身分証明書)から、すぐにバンサルさんであることが判明し、訃報を受けた家族らは大きなショックを受けた。
遺体発見状況から、警察は一見自殺かと思ったが、バンサルさんの両手が後ろに縛られていたことから、殺人事件とみて捜査を開始。すると、4人の容疑者が浮上した。
この4人、バンサルさんにソーシャルメディアを介して殺人を依頼された「殺し屋」であることが判明した。
【自殺が怖くて殺し屋を雇って殺人を依頼】
バンサルさんの遺体発見から5日後、警察は事の真相を明らかにした。
それによると、バンサルさんは借金苦で自殺を思いつくも、いざとなると恐怖を感じたのか、殺し屋を雇って命を絶つことに決め、ソーシャルメディアを通して出会った1人の未成年の少年に自分を殺すよう依頼した。
バンサルさんの依頼を引き受けた少年は、友人1人を誘い、その友人が更に2人の助っ人を誘ったことで、結局4人の暗殺者がバンサルさんの殺害に加わることになった。
最初、少年は武器の密売人からピストルを入手しようとしたが、未成年だったため拒否された。するとバンサルさんが絞殺を提案。ロープを自ら4人に渡し、首吊りにしてくれと依頼した。
当日、4人と落ち合って死に場所へ向かったバンサルさんは、4人の手にかかり命を落とした。
この暗殺に、バンサルさんは合計9万ルピー(約126000円)を4人に支払ったとみられている。
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【自分の死後、家族に保険が降りることを望んでいた】
現場で、バンサルさんは4人に自分の両手を縛るよう伝え、死後身元が簡単に判明するよう、ポケットにIDを入れたままにしておくことを指示。また、電話を義兄の番号に転送するなど、用意周到で死を迎えた。
4人には、「自分が殺害されたことにすれば、家族に保険金が下りる」と話していたという。
4人が逮捕となった知らせを受け取ったバンサルさんの義兄は、次のように話している。
2日前、警察は4人の容疑者を逮捕したと伝えてきましたが、詳細を聞かされていないので、まだ事実を受け入れられていません。
未成年に殺人を依頼したなんて信じがたいことです。
逮捕された4人のうち、最年長者の26歳の男は仕立て屋をしているということだが、過去にレイプ事件に関与していたとされており、未成年者以外の2人は18歳の学生、21歳の野菜売りだそうだ。
多額の借金を抱えて悩んだ挙句、家族が生活に困らないように保険金を受け取るにはどうすればいいかと悩みに悩んだ結果の計画的殺人事件のようだが、大切な大黒柱を失った一家の悲しみは計り知れない。
なお、この1件の捜査は現在も続行中ということだ。
written by Scarlet / edited by parumo
記事全文はこちら:借金苦に悩み自殺を図ろうとするも怖くてできなかった男性、殺し屋を雇う(インド) http://karapaia.com/archives/52292026.html
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