ボノボもグルメ王。新種のトリュフを食べていたことが判明(コンゴ民主共和国)

ボノボは新種のトリュフを食べていた / Pixabay
 人間社会では高級食材として知られる「トリュフ」は、芳醇な香りを持つキノコの一種で、料理においしさの魔法をかけてくれる。そしてそれは、我々の親戚にとっても美味であるようだ。


 コンゴ民主共和国、ココロポリ・ボノボ保護区に生息する「ボノボ」が食べていたものの中から、偶然にも新種のトリュフが発見されたのだ。

 これまでの研究でもボノボがトリュフを食べていることは観察されていたが、具体的な種まで特定されたのは初めてのことであるそうだ。
【ボノボが食べていたのは新種のトリュフ】

 独特の芳香を持ち、希少価値の高さからダイヤモンドにも例えられるトリュフは、キャビア、フォアグラとともに世界の三大珍味とされている。

 また、高級食材としてだけではなく、生態系の中でも大切な役割を担っている。木々が土壌から栄養を吸収できるよう助け、もちろんのこと動物の食料源にもなる。

 ボノボが食べていた新種のトリュフは、彼らにちなんで「ヒステランギウム・ボノボ(Hysterangium bonobo)」と名付けられた。


 地元の人たちには昔から知られていたらしく、バントゥー語では「シンボキロ(simbokilo)」と呼ばれているそうだ。

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新種のトリュフ「Hysterangium bonobo」image by:Alexander Georgiev
【今後高級食材として扱われる可能性も】

 新種のトリュフは、身長7、80センチ程度のボノボが丸ごと食べられるくらいの大きさで、レストランで供されるトリュフともいくつか同じ特徴があるとのこと。

 やはり芳しいようで、ボノボは空気にただよっている香りを嗅いだり、土を掘って手についた香りを嗅いだりしながら、トリュフを探しているらしい。

 トリュフは我々の親戚である霊長類にも好まれる食材ということだ。もしかしたら人間社会の高級食材として扱われる可能性もあるかもしれない。

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 ちなみに、今人間社会で出回っているトリュフは、豚が探し出してくれることで知られているが、最近では、訓練された犬を用いることもある。
その場合、ロマーニョ・ウォーター・ドッグという犬種の嗅覚を利用することが多いそうだ。

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ロマーニョ・ウォーター・ドッグ/iStock
 だが、犬もトリュフが大好物な場合も多く、見つけたらすぐに回収しないと犬と飼い主による奪い合いが勃発するという。犬も必死なので、トリュフの奪い合いでケガだらけになることもあるそうだ。

【知能が高く仲間思いのボルボ】

 コンゴ民主共和国でだけ見ることができるヒト科チンパンジー属のボノボは、非常に知能が高いことで知られている。

 利他的行為を行い、共感、親切、忍耐、感受性といったものを備えている平和的な動物で、他のチンパンジーとは異なり個体同士でほとんど争うこともない。仲間同士で独特のコミュニケーションを取り合っている。


 だが、残念ながら、生息地の破壊や狩猟によって数を減らしており、絶滅危惧種に指定されている。

 この研究は『Mycologia』(9月4日付)に掲載された。

References:zmescience / phys/ written by hiroching / edited by parumo

記事全文はこちら:ボノボもグルメ王。新種のトリュフを食べていたことが判明(コンゴ民主共和国) http://karapaia.com/archives/52295018.html