
男性がどのように発達するのか驚くべき発見/ Pixabay
多くの生物にとって、子孫を残すためにはオスとメスが必要だ。人間をはじめとするほとんどの哺乳類の場合、両親からXとYの性染色体を受け継げばオスに、XとXを受け継げばメスになる。
このY染色体の中にあって、胚の発達をオスに決定する遺伝子が「SRY(Sex-determining Region Y)」である。
まさに男の子に育つスイッチのような遺伝子で、特定の遺伝子を活性化させて精巣の形成をうながす(精巣はさらに他のオスの特徴の発達させる)。90年代のオリンピックでは性別の判定にSRY遺伝子の有無を利用していたこともあるくらいだ。
『Science』(10月2日付)に掲載された研究によれば、この遺伝子について発見以来30年間知られていなかった隠されたパーツが発見されたという。それは"か弱い"オスの遺伝子を守るための仕掛けであるそうだ。
【RNAに伝えられる情報――エクソン】
「DNA」に書かれている情報からタンパク質を作り出すには、まず「RNA」にその内容をコピーしなければならない。このとき、DNAの情報を受け取り、タンパク質の鋳型となるのが「メッセンジャーRNA(mRNA)」だ。
DNAから情報を受け取ったmRNAは、そのまま鋳型になるわけではなく、いくつか加工(スプライシング反応)されて一部が切り捨てられる。このプロセスでmRNAに残される部分を「エクソン」という。