依存しないことに依存する。「反依存」の10の兆候

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 人間は一人では生きていけない。誰かの支えがあって今日という日を迎えている。
だが、特定の相手に過剰に心の支えを求めてしまうと「共依存」となる。

 共依存は、特に「人間関係」への依存を意味しており、他人に頼り切りになって、一人では生きていけなくなっている状態のことを指す。トラブルの元であり、社会生活を困難なものにしてしまう。

 とは言え、他者への依存は、あくまで程度問題で、健全なレベルならちっとも悪いことではない。たとえば仲間を信頼し、困ったことがあれば相談し、誰かと支え合うといった生き方は、むしろ好ましい結果につながるだろう。

 では「反依存(逆依存)」を知っているだろうか? 文字通りそれは、依存することを拒絶する共依存と真逆の状態のことである。 
【他人への愛着を拒絶し、頼ることに恥ずかしさを感じる「反依存」】

 「反依存」になると、他人を信頼せず、誰かと親しくなることを避け、他人から助けられてしまうと、さらし者になったような情けなさを味わう。ゆえに「回避性愛着障害」と呼んだりもする。

 その原因は、しばしば子供の頃のトラウマや、あまりにも早い時期から自立を強いられたといった経験に起因する。このために誰かに頼ることに強い抵抗を感じてしまうのだ。

 他人に頼らず、自立して生きるのは素晴らしいことだ。誰しもが自分で物事を決めて、自らの力で人生を切り開きたいと願っている。


 だが自立とは、自分の力できちんと生きていることに自信を持つことなのであって、必要なときに助けてもらうことを恥ずかしいと感じることとは違う。

 反依存になると、他人に心を開くことができず、人間関係を築けなくなる。自己批判や不安・不信に苦しみ、ゆったり寛ぐことができない。

 本当は孤独なのに、自分のそうした気持ちをうまく伝えられず、助けが必要な自分を恥じたり、情けなく思ってしまうのが反依存の特徴だ。

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【反依存の10の兆候】

 次にあげる10の項目は、反依存の傾向を示したものだ。ほぼ全てがあてはまり、常にそう感じているのなら、反依存の可能性があるという。

1. 他人を自分の人生に立ち入らせてしまうと自分が失われそうで、人と親しくなることに抵抗を感じる。

2. 望まれている状況でもないのに極端なまでに独りでやることを好み、苦境にあっても支援を求めようとしない。

3. 助けを求めることに恥かしさや情けなさを感じる。それは弱さの印であると感じ、何がなんでも避けようとする。

4. 感情を隠すクセがあり、心の内を見透かされそうな人物と関わることに不安を感じる。

5. 好意を感じる相手であっても遠ざける。
さらし者になったり、親しい友人を作って弱くなるくらいなら独りの方がマシだ。

6. 幸せになることよりも、成功や目標達成の方が大事。ゆえに長時間働き、仕事に全精力を注ぎ込む。また、人付き合いをしなくて済む仕事を探そうとする。

7. 性急で、目標に突き動かされており、他人に不満を感じている。チームで仕事をする際は、怒りっぽく、歯に衣を着せない発言をする。また仕事をすべて自分独りでやろうとする。

8. 用意周到で、身だしなみやプレゼンの準備などには多大な時間と労力をかける。ゆっくり寛ぐことや、自分の感情を伝えることを避ける。

9. 問題が起きると他人のせいにする。他人は自分よりも劣っていると感じており、信頼もできない。

10. 常に独立独歩で、そうあるよう望んでいる。
他人に頼ると考えただけで、嫌な気分になる。

 なお、これらのいくつかは、普通の人でも感じることがあるものだ。たとえば、経験が浅い人と一緒に仕事をするようなとき、自分独りでやった方が速いとイライラすることは誰にだってあるだろう。

 だが、上記項目のほぼすべてが当てはまり、こうしたことを普段から強く感じているのなら、それによって人間関係や幸せが壊れたりしないうちに、対処することが大切だ。

 自分でできることもあるだろうし、専門家が必要なケースもある。

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【反依存を克服するには】

 もし反依存の可能性が濃厚だった人は、折衷案として「相互依存」を目指すといいかもしれない。つまりはギブアンドテイク、持ちつ持たれつの関係だ。

 この関係では自分で物事をきちんと決めているが、助けが必要なときは相手に頼ってもいい。だからと言って、他人のなすがままになるようなことはなく、自分が相手を助けることもあるだろう。

 ここで鍵となるのは、あなたが反依存になった原因だ。

 反依存の人は、突然そうなったわけではない。これは受け入れがたい状況から自分を守るための防衛機制(自己防衛本能)なのだ。
しかし、そのためにかえって孤立を深め、消耗するハメになってしまっている

 凝り固まってしまった不安や批判を少しずつ取り除けば、やがて心にも余裕が出てくることだろう。

References:What Is Counterdependency? 10 Signs You Might Be Counterdependent - Learning Mind/ written by hiroching / edited by parumo

記事全文はこちら:依存しないことに依存する。「反依存」の10の兆候 http://karapaia.com/archives/52295692.html
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