何目的？高齢のワオキツネザルが動物園から誘拐される。数日後に発見（アメリカ）

ワオキツネザル誘拐事件が勃発/pixabay
　カリフォルニア州サンフランシスコの動物園から、1匹の年老いたワオキツネザルが何者かに誘拐されるという事態が発生した。

　警察では強盗事件として捜査を開始。園側は、情報提供者には報酬を支払う旨を発表し、行方不明になったワオキツネザルの安否を案じていた。

　しかし、幸いにも数日後に教会の敷地内にある駐車場で発見され、ワオキツネザルは無事に園に戻されたという。『Mashable』などが伝えている。
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SF Zoo officials give update on missing lemur found by 5-year-old boy

【最高齢のワオキツネザル誘拐事件が勃発】

　10月14日、サンフランシスコ動物園は、園で飼育している19匹のうちの1匹で、最も高齢のワオキツネザルのマキ（21歳）が行方不明になったことを発表した。

⚠️ Missing Lemur ⚠️#SanFrancisco we need your help in locating "Maki" the stolen Lemur! Maki is an endangered animal and requires specialized care. If spotted please dial 911 and be prepared to provide as much detail as possible ➡️ https://t.co/VJOkACtNwC pic.twitter.com/JEei6NjNgU

— San Francisco Police (@SFPD) October 14, 2020

　駆け付けた警察は、園に13日の夜中から14日の朝にかけて何者かが侵入し、マキを連れ去った可能性が高いとみて、誘拐（強盗）事件として捜査を開始した。

　ワオキツネザルは、IUCN（国際自然保護連合）のレッドリストで「絶滅危惧種」に指定されており、特にマキは高齢であるため、健康状態が心配された。

　園のCEO（最高経営責任者）および事務局長のタニヤ・M・ピーターソンさんは、記者会見でこのように述べていた。

マキの安否がかなり心配されます。警察の調査では、マキの命が危機に瀕している可能性もあるということなので、報酬を提供してとにかく早く発見されることを願っています。

　高齢のマキは、他の仲間より動作が遅い。侵入者にとっては、マキは捕まえやすいターゲットとなったのだろうと園側は推測。

　しかしいったい何目的で誘拐したのかはわからない。ペットとして飼いたかったのか？密売か？あるいはそれ以外か？警察はあらゆる可能性を考えて調査を続けていた。

　15日には、園は役立つ目撃情報を提供してくれた人には、マキの21歳という年齢に合わせた2100ドル（約22万円）の報酬を支払うことを発表。警察ともども「マキを見かけたら動物園に戻して」と呼び掛けた。

Thank you for your supportive messages during this difficult time. At this time, we do not have any updates about Maki and we are very concerned. We’re offering a $2,100 reward, $100 for every year Maki has lived, for any information leading to his recovery. pic.twitter.com/L96OZiTCKj

— San Francisco Zoo (@sfzoo) October 15, 2020

【マキ、駐車場で5歳児に発見される】

　園の職員をハラハラさせたマキの行方不明事件だったが、15日に急展開を見せた。

　警察が、コーリー・マックギロウェイ（30歳）という男を別の窃盗事件で逮捕したところ、マキを誘拐した容疑が発覚したのだ。

　マックギロウェイは、動物園への侵入および建物の破壊行為、動物の窃盗容疑などで再逮捕となり、間もなく起訴される予定だという。

　その同日の午後5時頃に、教会の施設内にあるプレスクール（保育園）に通っていた5歳男児が、駐車場にいるマキを発見。

　マックギロウェイがマキを解放したのか、マキが自力で逃げ出したのかは不明だが、発見された時マキは興奮状態にあり、空腹で脱水症状も起こしていたようだ。

ICYMI: The moment kids spotted Maki the missing lemur in the parking lot of their Daly City preschool.
He is now back at the @sfzoo. @kron4news pic.twitter.com/XII2TGQY7q

— Justine Waldman (@JustineWaldman) October 18, 2020

　その後、無事に園へと戻されたマキだが、しばらくの間は仲間とは別の場所に保護され、完全に回復するまで職員らによるケアが続けられるということだ。

　園や警察では、マキが無事に保護されたことを伝えるメッセージをTwitterでシェアした。

We found Maki, the stolen lemur from @sfzoo!! Around 5pm, we got a report he was in the playground area of the Hope Lutheran Church. We contained him until staff from the zoo took him back home. Here is Officer Haas with Maki.

We are grateful Maki is home safely! pic.twitter.com/U5rB2RnIxC

— Daly City Police (@DalyCityPD) October 16, 2020

Following the abduction of our beloved senior ring-tailed lemur, Maki, we received an outpouring of concern, which led to his return late Thursday evening! Somewhat anxious and hungry, Maki appears to be in good health! pic.twitter.com/zlgQR7sxeH

— San Francisco Zoo (@sfzoo) October 16, 2020

　なお、サンフランシスコ動物園では、20年前にも10代の若者2人が侵入し、コアラ2匹を盗む事件が発生した。

　その後、警察に匿名の密告があり、コアラはサンフランシスコ市内の民家にいたところを無事発見され、園に戻されたそうだ。

written by Scarlet / edited by parumo
追記：（2020/10/23）本文を一部訂正して再送します。

記事全文はこちら：何目的？高齢のワオキツネザルが動物園から誘拐される。数日後に発見（アメリカ） http://karapaia.com/archives/52295817.html