
小惑星「アポフィス」が猛スピードで地球に接近 / Pixabay
アメリカ・ハワイ大学の研究グループによって、地球近傍小惑星の1つが地球へ向かって猛スピードで加速しており、2029年に最初に地球に接近し、2068年に再び接近。2068年の時には衝突する可能性があることが明らかにされた。
その小惑星の名は「アポフィス」、闇と混沌を司る大蛇の姿をした古代エジプトの悪神「アペプ」にちなんでいる。
【2029年4月13日(金)アポフィスが地球に接近】
2004年6月に発見された地球近傍小惑星「アポフィス(2004 MN4)」の直径は約310~340メートルほど。地球軌道のすぐ外側から金星軌道付近までの楕円軌道を323日かけて公転している。
そのアポフィスは猛スピードで加速しており、最初に地球に接近するのは、2029年4月13日の金曜日になる見込みで、通信衛星の隙間を縫うように地球のそばをかすめ飛んでいくと予測されている。
その距離は、裸眼でも確認できるほどに近いそうだが、2029年の時点では、地球に衝突することはまずないとのことだ。
アポフィスが加速している理由は、「ヤルコフスキー効果」の影響である。
太陽光の熱エネルギーを吸収した小惑星は、熱平衡を保つためにそれを放射しなければならない。これがわずかだが推進力となり、小さな天体の軌道を変化させるのだ。
[画像を見る]
中央の動く光点がアポフィス image by: