賃貸物件の住人にもペットを飼う権利を認める新法案が提出される(イギリス)

賃貸でもペットを飼える権利が認められる法案 Lepale/pixabay
 日本だけでなく海外でも、賃貸物件はペットを認めていないところも多く、動物好きの人はペットが飼えないという辛い現実に直面しなければならない。

 だが、このほどイギリスで、賃貸物件の居住者にもペットの所有権を与えるという新法案が提出された。この法案が可決されれば、引っ越しの際、ペットと離れる危機に直面することもなくなるし、ペットと一緒に住める家も増えることになる。

 しかし、大家らはこの法案に不満の声を漏らしているという。『Mirror』などが伝えている。
【賃貸物件に住む人たちにペットを飼える権利を与える法案】

 10月14日、イギリスの保守党アンドリュー・ロシンデル議員は、賃貸物件に住む人たちにペットを飼える権利を与える新法案の提出を行った。

 動物好きの賃貸人が、引っ越しした先のアパートや家でペットを飼えないことにより、大切な家族の一員を手放したり、一緒に住む家がなかなか見つからないという困難を強いられたりする状況は回避しなければならないと、同議員は以下のように発言した。


悲しいことに、賃貸住宅に引っ越すペットの飼い主は、ほとんどの家主がペット飼育を不必要に禁止しているため、家族が引き裂かれてしまうという現実に直面しています。

大切なペットを、引っ越しのために手放すことを余儀なくされた人にとって、果たして引っ越しした先を「本当の家」と呼ぶことができるでしょうか?

犬も猫も、ペットを飼っている人にとっては、家族の一員なのです。

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【大家らからは新法案に不満の声】

 新法案を提出する一方で、ロシンデル議員はこれを不満に思う大家たちが、家賃を上げたりペットに対する追加料金を請求したりする可能性があるという懸念を吐露している。

 事実、「もしこの法が可決されるのなら、損害と追加費用は賃貸人に保証してもらいたい」と述べる大家もおり、多くの大家が「貸し出す家をペットで傷つけられたり破損させられたりするのは困る」と不満の声を漏らしているようだ。

 だが、もちろんこの法案は、賃貸人がペットを所有する権利を無条件で与えられるわけではない。賃貸物件でペットを飼いたい人は、厳格な所有権テストに合格する必要がある。

 チェックリストでは、ペットが予防接種を受けたか、マイクロチップをつけているか、飼育状況など、責任ある飼育をしているかどうかを確認させられる。

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 ロシンデル議員は、このように話している。

法案では、ペットを賃貸物件で飼うに適しているかどうかの確認が含まれることを条件となります。

ペットが飼えないために、引っ越しができず住める家がないという人や、ペットを泣く泣く施設へやらなければならないという人がいますが、今はもうそのような差別を終わらせなければならない時代なのではないでしょうか。

 コロナの第2波が襲来しているイギリスでは、職や家を失う人も少なくない。ペットを連れていると、次の家がなかなか見つからないという苦境に立ち、路上暮らしを強いられるケースも多々あるのだ。


犬も人間も、安全な場所で眠るに値します。親友を諦める必要はありません。

 この新法案は、多くの動物慈善団体も署名運動を行ったりして支持されている。

 Dog Trustのクレア・キヴルハンさんは、「犬が私たち保護施設に渡される主な理由の1つは、ペットを受け入れる宿泊施設や物件が見つからないという問題からです」と言う。

 フランスやベルギー、ドイツやスイスでは、今や賃貸住宅のペットに対する全面的な制限は非合法となっている。

 イギリスでは、今後来年の1月29日に審議が行われる予定だが、これが可決すれば家と愛するペットのどちらかを選択しなければならないという潜在的なリスクを回避できるようになることから、大きな期待が寄せられている。

written by Scarlet / edited by parumo

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