
地獄のような環境を持つ溶岩惑星「K2-141b」を発見/iStock
太陽系の中にも過酷な環境の惑星はあるが、主星に近すぎてドロドロに溶けたマグマの海を煮えたぎらせた溶岩惑星の前では霞んでしまうかもしれない。
その溶岩惑星は「K2-141b」で、地球から200光年の彼方にある恒星「K2-141」をわずか6.7時間で公転している。
分類上は「スーパーアース*」(岩石や金属で構成され、地球の数倍から10倍程度の大きさの系外惑星)に区分されるが、溶岩惑星の名は伊達ではない。地表は深さ100キロというマグマの海におおわれ、その上空を時速5000キロもの突風が吹き荒れ、溶岩の雨が降る。
発見されたのは2018年のことだが、このほど米ニューヨーク大学をはじめとする研究グループが、その分析結果を『Monthly Notices of the Royal Astronomical Society』(11月3日付)で報告している。
【岩が蒸発する灼熱地獄】
溶岩惑星「K2-141b」の輝きのパターンが分析されたところ、表面の3分の2は永遠の昼であることが判明。その軌道が主星に近いために「潮汐ロック」されて、常に同じ面を向けているからだ。
もちろん恒星に近いからには温度も尋常ではない。昼側の温度は3000度と推定されており、岩が溶けるどころか、蒸発してしまう。そのためにK2-141bをおおう薄い大気は蒸発した岩石によって構成されている。