尊い涙。家庭の事情で高校に行けなかったおばあさん、97歳で卒業証書を授与される(アメリカ)

97歳で念願の卒業証書を受け取ったおばあさんの尊い涙 image by:Facebook
 様々な家庭の事情で学校をやめざるを得なかったという人は、この世に数多く存在することだろう。アメリカのミシガン州に住む当時97歳の女性も、17歳の時に高校を自主退学しなければならず、卒業できなかったという悔いの思いが彼女の心に深く残っていた。


 しかし遠縁の身内による計らいで、女性は実に79年後に中途退学した高校の卒業証書を手にすることができたのだ。

 身内が見守る中、卒業式に被る帽子と名誉卒業証書を高校の校長から手渡された女性は、感極まり喜びの涙を流した。
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97-year-old tearfully accepts her high school diploma

【家族を支えるために高校を退学した女性】

 ミシガン州西部に暮らすマーガレット・トーム・ベカマさんは、同州にあるグランド・ラピッズ・カトリック・ハイスクールを1936年に卒業する予定だったが、17歳で退学した。

 母親のキャサリンさんが、がんになったのだ。

 父親レオさんは、長女だったマーガレットさんに「自分が外に働きに出る間、病気の母親の代わりに自宅で弟や妹の世話をしてくれないか」と頼んだ。

 当時、マーガレットさんには弟と妹が3人おり、そのうちの2人はまだ手がかかる幼い年齢だったことから、マーガレットさんは彼らの面倒を見るために高校を自主退学することを余儀なくされた。


 
【79年後、97歳にして高校の卒業証書を授与される】

 その後、マーガレットさんは米軍人のテッドさんと結婚し、2人の子供に恵まれた。長い人生の中で、小学校の事務員として17年間働いた経験もあった。

 4人の孫と1人のひ孫にも恵まれ、幸せな生活を過ごしてきたマーガレットさんだったが、高校を卒業できなかったことについては、いつも後悔を口にしていたという。

 そこで、マーガレットさんのいとこマリアンさんの娘が、なんとかしてマーガレットさんの卒業証書を出してもらえないものかと、当時マーガレットさんが通っていたグランド・ラピッズ・カトリック・ハイスクールに相談を持ちかけた。

 事情を聞いた高校側は、快くその頼みを引き受けてくれた。

 2015年10月29日、マーガレットさんは家族が見守る中、79年後に卒業証書を受け取った。


 やむを得ない家庭の事情により卒業できなかった事情を汲み取って、学校側は特別措置としてマーガレットさんに名誉卒業証書を授与したのだ。

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 車椅子姿で受け取りに現れたマーガレットさんは、現在の校長から当時卒業予定だった1936年の日付が記された卒業証書と、卒業式の帽子を受け取ると、感極まって涙した。

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私は、高校生活が大好きで、たくさんの友達もいました。そんな大好きだった高校を辞めなければならなかったことは、本当に本当に辛かった。でも今日、念願だった卒業証書を頂けました。心から深く感謝します。

 涙を流しながら感謝の気持ちを言葉にしたマーガレットさん。この光景は、メディアで伝えられただけでなくSNSでもシェアされ、多くのユーザーらからマーガレットさんに祝福の声が寄せられたという。

written by Scarlet / edited by parumo

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