国境閉鎖で立ち往生した大勢のトラックの運転手らに地域住民たちがあたたかい食事を提供(イギリス)


 イギリスでは、今月に新型コロナの変異種が発見されて以来、懸念を抱く世界各国との関係が劇的に変化しているが、フランスがイギリスとの国境を一時的に閉鎖したことから、2850台以上ものトラックが立ち往生し大渋滞となる事態に発展した。

 そこで地域の住民らは、長時間道路で停止を強いられたまま待ち続ける大勢のトラック運転手らのために、大量の温かい食事を調理。沿岸警備隊やハイウェイパトロール隊らに見守られる中、ボランティアたちはペットボトルの水と共に差し入れを行った。『UNILAD』などが伝えている。
【コロナの新変種でイギリスとフランスの国境閉鎖】

 12月14日にイギリスの保健省により発表された新型コロナの新変種は、世界各国に懸念を引き起こしているが、特にイングランド南部で集中的に変異種への感染が多数確認されたことから、フランス側は国境を一時的に閉鎖する措置を実施した。

 もとより、ドーバーの国境検問所は11月以降イギリスのEU離脱によって異例の混雑ぶりとなっており、国境に向かう道路はトラック運転手らが長蛇の列を作っていた。

 それが今回、クリスマス前に国境閉鎖となったことで、2850台以上のトラックが路上で立ち往生を強いられる羽目になり、イギリスは物流の往来が数日間完全停止となる事態に見舞われた。

 
【地元ボランティアが運転手らに食事を差し入れ】

 12月22日、ケント州の地元当局から連絡を受けて協力を要請された同州シーク寺院Gravesend Gurdwaraは、シーク教徒の人道的救済慈善団体であるKhalsa Aidと協力し、すぐに行動を起こした。


 多くのボランティアが寺院のキッチンに集まって、500のひよこ豆のカレーと300のきのこのパスタ、合計800食を調理した後、立ち往生しているトラック運転手らのもとへと届けたのだ。

 雨が降る中、ボランティアたちは沿岸警備隊とハイウェイパトロール隊に見守られながら、1台1台のトラックにペットボトルの水と温かな食事を差し入れした。


 翌23日には、国境が再開したドーバー港。待っていた人々は、ようやく徐々にフランスへと渡ることが可能になったが、現時点でイギリスからフランスに入国できるのは、出発前72時間以内にコロナ検査で陰性が確認されたトラック運転手やフランス国民、フランス在住のイギリス人、またフランス以外の欧州連合(EU)加盟国の国民など、入国を急ぐ理由がある者のみとなっており、現在約60か国がイギリスからの入国者には厳しい対応措置を敷いているという。

written by Scarlet / edited by parumo

記事全文はこちら:国境閉鎖で立ち往生した大勢のトラックの運転手らに地域住民たちがあたたかい食事を提供(イギリス) http://karapaia.com/archives/52297749.html
編集部おすすめ