
VRで性転換実験をすると自分の性別を疑うようになる / Pixabay
あなたの体は、あなたが思っている自分自身の性別の認識にどのような影響をもたらしているだろうか?
『Scientific Reports』(9月1日付)に、VR(バーチャル・リアリティ)を利用して異性の体に入れ替わるというユニークな実験の結果が報告された。つまり男性は女性へ、女性は男性になるような立体映像の中に没入してもらうということだ。
それによると、VRでリアルな性転換体験をした人は、自分が思っていた自分の性別を疑問に感じ始め、もしかしたら自分は男じゃなくて女(女じゃなくて男)なんじゃないかと思うようになるという。
【VRでリアルな性転換を体験させる実験】
自身の性をどのように認識しているかを「性自認」という。生物学的に女性の体をしているから自分を女性と感じる、あるいは男性の体をしているから男性と感じるのは一見当たり前のようだが、これがきちんと確かめられたことはない。
カロリンスカ研究所のグループによれば、かつて性自認は男と女のどちらか一方にはっきり分かれるとされてきたが、最近の理論では両性別の間にある範囲に収まるものだと考えられているのだそうだ。
こうしたことを確かめるために、同研究グループでは被験者にVR(バーチャル・リアリティ)のヘッドマウントディスプレイを着用してもらい、一人称視点で異性の体を体験してもらうという実験を行った。