アパートの下から「首なし」の巨大仏像が発見される

アパートの下から頭のない巨大仏像を発見 image by:youtube
 中国のアパートの下から、岩に彫られた首なしの巨大像が発見された。その高さは9メートルに及ぶのだが、像があることは誰も気が付かなかったという。


 いつの時代のものかはっきりわからず、その起源についても議論が分かれていて、仏像だという意見もあれば、民間信仰に関する像だという主張もある。

【草木を取り除いていた所発見された首なし像】

 高さ9メートルもあるこの首なし像が発見されたのは、中国南西部の重慶市。古いアパートの改修工事のため、建物を分厚く覆っていた草木を取り除いていたときのことだった。

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仏像"(赤く囲った部分)は深く密集した草木で覆われていた

 頭部のないその体にはコケがびっしりついていたが、服のひだなど細かいところまではっきりわかる。座った姿で、左足はひどく損傷しているが、腕を膝の上に置き、手は丸いもの、おそらく石を持っている。

 首なし像のあったアパートを挟むようにもう1棟の高層アパートが建っているが、数十年以上誰もこの像に気が付かなかったようだ。


 最近 ソーシャルメディア(SNS)で「首なし仏像」として画像が出回ったことでこの事実が広く知られるようになった。

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image by:shine
【いつ、だれが、何の目的で建てたのか?】

 SNSはその起源や目的などについての意見が飛び交っている。

 このアパートの住人のひとりは、数年前には像の近くに寺院があったといい、この仏像は1000年近く前に建てられたものだと聞いたという。

 べつの60歳の住人は、仏像は今回発見される前から知られていて、自分が子供の頃、ここにあったという。その当時は頭部もあったが、のちに壊れてしまったらしい。

 考古学ニュースネットワークによると、地元自治体の文化遺物担当が調査を開始したという。


 ところが、ごく最近の報告では、この仏像はもっと新しく、1912年~1949年の中華民国時代のものだという。

 だが、最近まで完全に忘れ去られていて、頭部は1950年代に壊れてしまったのだろうということだ。アパートが建設されたのは、1980~90年代だという。

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Giant headless Buddha statue discovered inside residential community in Chongqing

 自治体の文化遺物部門は、これは仏教由来の像ではなく、民間信仰に関係している可能性のほうが高いという。かつて近くにあったという寺は、1987年に取り壊されたようだ。その寺は、道教の雷神を祀っていたという。


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明王朝時代の1542年に描かれた雷の神、雷公

 最近発見され、長年にわたって明らかに忘れ去られていたにもかかわらず、この像は、1997年以前に地域の文化遺物として認められていたと、書いている新聞もある。

 もしこの像が文化遺物だったのなら、それを知った上でアパートを無理やり建ててしまったのだろうか?

 現在 この像は崩壊の危険に直面しており、重慶市当局は専門家らと共に入念な調査を行い、その結果をもとに、像の保護を行う予定だという。

References:thepaper / ancient-origins. / archaeologynewsnetwork/ written by konohazuku / edited by parumo

記事全文はこちら:アパートの下から「首なし」の巨大仏像が発見される http://karapaia.com/archives/52297859.html