ダイエットの特効薬となるか?2型糖尿病の治療薬に体重を15%減らす効果を確認

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 楽して痩せたい。体重を気にしている人なら誰もがそう思うだろう。
この世には様々なダイエット方法が存在するが、基本的に必要なのは持続的な健康的な食事制限と適度な運動だ。

 とは言え現実には、その基本を守ることはとても難しく、必ずしも効果が保証されるものではないので道半ばで心折れてしまう人も多い。

 だが近い将来、もっと簡単に痩せることができるようになるかもしれない。2型糖尿病の治療に用いられる「セマグルチド」に大幅な体重減少効果があることがわかったという。
【2型糖尿病の治療薬に減量効果を確認】

 『The New England Journal of Medicine』(2月10日付)で革命的なダイエット薬として紹介されているのは、2型糖尿病の治療薬である「セマグルチド(semaglutide)」だ。

 研究では、16か国から肥満の成人2000名を募り、セマグルチドを1週間に1度注射器で投与しながら、生活習慣についても指導した。


 その結果、プラセボを服用したグループではわずかに体重が減っていたものの、臨床的にはほとんど意味のない程度だった一方、薬を服用したグループでは大幅に体重が減少していたという。

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【平均で15%の体重減】

 セマグルチドを投与してから68周後、平均すると14.9%体重が減り、参加者の3割は20%以上体が軽くなったとのこと。これは大雑把に言えば、既存のダイエット薬と比べて2倍の効果で、脂肪摘出手術に匹敵するほどであるそうだ。

 ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの肥満学者レイチェル・バタラム氏は、「これほど体重を減らしてくれる薬は他にありません。まさにゲームチェンジャーです」とコメント。史上初めて手術でしか得られなかった減量効果を、薬でも実現したと自賛する。


 セマグルチドには脳に働きかけ食欲を抑える効果があるが、一部参加者には吐き気や下痢といった副作用も見られたとのこと。ただしそれらは大抵の場合、一時的で軽いものだったそうだ。

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【それでも健康的な食事制限と適度な運動は必要】

 なお、投薬を止めるとどうなるかについて、現時点できちんとしたデータはない。だが実験に参加したある女性によれば、投薬終了後にじりじりと体重が増えてきてしまったそうだ。

 なので夢のダイエット薬があったとしても、食べ放題、だらけ放題でいいというわけではない。スリムな体を維持するためには、健康的な食生活と適度な運動という基本が大切であることは間違いないみたいだ。


References:sciencedaily / sciencemediacentre/ written by hiroching / edited by parumo

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