ヘアカラーも進化する。デジタルプリントで髪に模様をつける時代がすぐそこに


 また髪の話をしよう。今回はヘアカラーに関してだ。
髪型や色はその人のアイデンティティを表しており、個々に好きなスタイルがあるだろう。

 近年、白髪を染めずにありのままの自分を受け入れる「フリー・ザ・シルバー」運動が広がりを見せる一方で、ヘアカラーの技術が究極進化を見せている。

 スペインのバルセロナ在住のスタイリストは、試行錯誤の末に、髪の毛に精巧な模様を直接プリントする技法を生み出した。まるで髪の毛がキャンパスになったようだ。『Oddity Central』などが伝えている。
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Alexis Ferrer La Favorite

【ヘアスタイルの可能性にチャレンジし続けるヘアスタイリスト】

 スペイン、バルセロナを拠点とするヘアスタイリストのアレクシス・フェラーさんは、ユニークな感性を持つ斬新なアーティストで、これまでにもカラフルなデザインのヘア・スタイリングにチャレンジしてきた。


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 フェラーさんは、2012年にアメリカのヘアケアブランドであるウェラ(Wella)社が主催する「International Trend Vision Awards」のコレクションの審査を依頼されたことがきっかけで、人間の髪の毛にデジタルプリントするヘア・プリント技術の実験を始めた。

 「通常を超えた新次元の革新」という目的を持っていたフェラーさんは、デジタルプリントを施すことで、髪がまるで布やキャンパスのような素材になることを発見。

 その新たな技術は、ファッション業界で大きな注目を集め、現在もヘア・プリント技術の更なる洗練に取り組んでいる。

【様々な着想から、次々と斬新なヘアスタイルを生み出す】

 フェラーさんは当初、ホラー映画『シャイニング』やヒッチコックの『サイコ』などのクラシックな女性主人公の顔がプリントされたブロンドのヘアエクステンションを作り出すことを目指していた。

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 その後、2017年の『080バルセロナ・ファッションウィーク』では、フェラーさんはデザイナーのチェル・ミラスと協力して、輸送コンテナや漁師に着想を得た非常にユニークなコレクションを発表。

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 長いヘアエクステンションにひげを生やした漁師の写真の肖像画を髪にプリントするなど、ヘア・スタイリング業界では初めてと言える斬新なデザインに次々とチャレンジしていった。


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【2021年、新たなデジタルプリントヘアを発表】

 そして今年の初め、フェラーさんはヘア・プリント技術の最新バージョンを発表した。

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 それは、18世紀フランスの意匠を取り入れたシリーズ「La Favorite」で、モデルのブロンドヘアにはボタンなどの花々や鳥、蝶といったバロック調のモチーフが美しくプリントされている。

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 これによって、フェラーさんはカラフルで鮮やかなデザインを人間の髪の毛にデジタル印刷することが可能であることを証明。サイト『INFRINGE』の中で、彼はこのように語っている。

新しいヘア・プリントにおいては、最初から「挑戦」でした。高解像度のデジタルプリントで良い結果を得るのに、2か月かかりました。
プロセスの詳細は明らかにできませんが、髪にこれらの素晴らしいパターンを再現できたこの新技術は、まさに「工芸の知識とテクノロジーの組み合わせ」と言っていいでしょう。

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 現段階では、このヘア・プリント技術はまだ商用サービスとして利用できないそうだが、ヘア・スタイリングとファッションが混合したこの素晴らしい革新的技法は、今後同業界において注目される日もそう遠くないかもしれない。

written by Scarlet / edited by parumo

記事全文はこちら:ヘアカラーも進化する。デジタルプリントで髪に模様をつける時代がすぐそこに https://karapaia.com/archives/52300994.html