ニューヨークで渡り鳥の大量死。その原因は高層ビルであることが明らかに

ニューヨークで渡り鳥の大量死。その原因は高層ビルであることが明らかに
image credit:Melissa Breyer/Twitter

 一般的に、春と秋は渡り鳥が旅をする季節だ。しかし、近年アメリカでは大量の渡り鳥が死体となって発見されるという悲しい事態が起こっている。

 これまでは謎の病山火事による可能性など、原因が明確になっていないものが多かったが、今回、ニューヨーク州ワールドトレードセンター複合施設の周辺の路上で発見された渡り鳥の大量死の原因は明らかだ。

 高層ビルに衝突してしまうのだ。ガラス張り、鏡張りのビルや、夜間でも照明がついているビルに、渡り鳥は方向感覚を混乱させられ追突してしまうのだという。

260羽以上の渡り鳥の死骸が路上で発見 9月14日、野鳥保護に携わるNPO「全米オーデュボン協会」(本部・ニューヨーク市)でボランティア活動をしているメリッサ・ブレイヤーさんは、衝撃的な画像をTwitterでシェアした。  それは、ワールドトレードセンター(以下WTC)複合施設周辺の路上にあった大量の渡り鳥の死骸で、メリッサさんは14日の朝、少なくとも261羽の複数の種の鳥の亡骸を回収し、まだ助かる見込みのある30羽を野生生物リハビリセンターへ持ち込んだという。

 メリッサさんは、全米オーデュボン協会が20年にわたり実施している建物を鳥に優しくする運動『Project Safe Flight』に参加しており、毎年渡り鳥が旅をする季節になると、早朝に一連の建物を巡回する活動を続けて来た。

 この日、1、3、4、7WTCの外壁に衝突して死んでいた鳥の数は予想外に多く、メリッサさんは「まるでホラー映画のようだった」とその悲惨な状況を語っている。

 渡り鳥はアメリカムシクイ、ハゴロモムシクイ、カマドムシクイなどで、13日の夜または14日の早朝に南へ飛ぼうとしていた時に建物の光と反射ガラスによって混乱し、ビルに次々と追突したものと推測された。 毎年9万~23万羽の渡り鳥がビルに衝突して死んでいる 渡り鳥の渡りの時期は、季節や場所によって異なる。オーデュボン協会では、渡り鳥の保護のために「Project Safe Flight~明かりを消そう運動」を実施し、渡りの季節となる春と秋の年2回、街の照明を落とすよう各都市に呼びかけてきた。

 ニューヨークでは建物のガラスと衝突することで、毎年9万~23万羽の渡り鳥が死んでいると推定されている。

 1年を通して、渡り鳥の渡りの時期はわずか6週間ほどだが、衝突数は年々増加し、ニューヨーク市野生生物リハビリセンター「Wild Bird Fund」に持ち込まれた渡り鳥は去年と比較して20%増えたそうだ。  毎秋の移動で、大量の渡り鳥が死ぬ理由は複数存在する。

 鳥は、光の反射を理解していない上に、透明なガラスを物理的な障壁として検出することができない。

 更に、夜の明るい照明の光は潜在的に鳥の方向感覚を狂わせ、夜行性の渡り鳥を建物に惹きつけてしまうという。

 Wild Bird Fundは、このように話している。
特に秋の渡り鳥は、春に孵化した鳥が春の渡りのベテランの成鳥が持つ感度や聡明さを持たずに飛ぶため、高層ビルの窓に衝突するという頻度が高くなります。

夜に照明が灯ったガラスの建物は、まさに若鳥にとって“死の罠”になるのです。

これらの建物で働く従業員ができる最も重要なことは、オフィスを出るときに電気を消すことです。1か所か2か所照明を消していることで、鳥にガラスの存在を警告することができ、違いを生むことができます。


[画像を見る]

photo by Pixabay
渡り鳥の衝突を避けるための措置 今年1月、ニューヨーク市では地方法15が施行。高さが23メートルある高層ビルの90%の外壁に、鳥にやさしい材料を組み込む新しい建設プロジェクトが義務付けられた。

 ただし、WTC複合施設のような既存の建物が大幅に改装されない限り、渡り鳥の衝突事故を軽減することは難しいという声もある。

 Twitterでメリッサさんは「ビルの照明は消すことができるし、窓に何らかの措置を施すこともできます。渡り鳥の保護のために何か実行してください」と切実に呼びかけている。

 オーデュボン協会ニューヨーク本部長のケイトリン・パーキンスさんは、このように自身の見解を述べている。
去年の春、数十羽の渡り鳥がマンハッタンのリバティパーク近くのシースルーバリアに衝突するという出来事がありました。

ニューヨークとニュージャージー州港湾局は、渡り鳥の衝突を避けるための転写シートをガラスに貼るよう促しました。

WTCも夜間の照明を減らし、光が鳥の衝突を引き起こすのを軽減することが可能だと思います。

また、今回の大量の渡り鳥の衝突は9月11日の記念のライト展示とは関係なく、13日の夜から14日の朝にかけての大移動と関連していると推測しています。
 一連の出来事を受け、3,4,7WTCの担当者は、現在オペレーターが鳥を保護するための措置を講じていると回答。1WTCは、ビルの上層部60メートルのみ無反射ガラスを装備しているということで、WTC広報担当者は次のように話している。
野鳥をケアし、5つの区の生息地を保護するよう努めています。

人工夜間照明は、一般に渡り鳥を惹きつけ方向感覚を失わせる可能性があることを理解し、特に渡りの季節には可能な限り、夜間に夜間の照明を消し、ブラインドを下げるようオフィステナントに積極的に奨励しています。
 なお、Wild Bird Fundは地面に落ちた鳥を発見した場合について、このようにアドバイスを促している。
まだ、助かる可能性がある鳥もいます。足が動いている鳥を発見したら拾って茶色の紙袋に1時間ほど入れてみてください。

鳥がパタパタと音をさせ始めたら飛べる合図なので、最寄りの野生生物リハビリセンターへ運ぶか、野生に放してあげてください。
written by Scarlet / edited by parumo

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