
image credit:Department of Conservation/Facebook
アデリーペンギンは、南極半島にのみ生息している。にもかかわらず、アデリーペンギンの1羽が、南極から約3000km離れたニュージーランド南島の海岸で発見されたのだからびっくり。
保護されたペンギンはひどい脱水症状を起こしていたようで、獣医らが水分と栄養源を補給し、無事に南極に戻れるようにと後に安全な海岸へと放たれた。
[動画を見る]
Rare Antarctic Penguin Accidentally Travels 3000km From Home南極にしかいないはずのアデリーペンギンがニュージーランドで発見 つい先日、南極西部の南極半島にのみ生息するとされるアデリーペンギンが、ニュージーランド南島にあるバードリングス・フラットの海岸に独りぼっちでたたずんでいるところを、地元住民ハリー・シンさんが発見した。
ペンギンが頭を動かすまでは「ぬいぐるみ」だと思ったというシンさんは、後のメディアでこのように語っている。
[動画を見る]
最終的にシンさんは、ニュージーランド南島で10年にわたりペンギンの野生復帰活動を行う専門家トーマス・ストラックさんに連絡を入れ、助けを求めた。
シンさんから連絡を受けたストラックさんは、獣医師と共に現場へ駆け付け、実際に南極のアデリーペンギンがいる光景を見て、驚きを隠せなかったという。
[動画を見る]
保護したペンギンに栄養と水を補給 ペンギンといえば、アニメ『ピングー』のキャラクターで知られていることから、そのペンギンは地元の人々にピングーと呼ばれることになったようだ。
獣医師らの診断によると、ピングーは飢えて脱水症状を起こしていることがわかった。元気を取り戻してもらう為、ピングーには魚を凍らしてミキサーにかけたスムージーと水が与えられた。
ここは本来ピングーの居る場所ではない。仲間のいる南極に戻って行ってもらわなければならない。さてどうやって戻すべきか、皆は考えた。
[動画を見る]
自力で戻ってくれることを祈りながら送り出す これはもう、なんとか自力で戻って行ってもらうしかなさそうだ。
生息地の南極までの道のりは3000キロもある。再び無事に生息地に戻ることを願って、ストラックさんは当局メンバーと、ペンギンが苦手とする犬のいないバンクス半島の安全な海岸へピングーを放した。
ひとりぼっちで海に向かっていくピングーの姿は「がんばって!絶対南極にたどり着いて!」と祈らずにはいられない哀愁に満ちていた。
[動画を見る]
ピングーの漂着は、気候変動の影響か? アデリーペンギンがニュージーランドに漂着したという事例は、これまで1993年と1962年に起こっており、今回で3度目だという。
オタゴ大学のフィリップ・セドン教授は、ピングーの漂着は気候変動が影響を及ぼしていると語る。
[動画を見る]
海水温の上昇は、ペンギンが通常食べる魚がより寒い深部に潜り、アデリーペンギンの餌を奪うことを意味する。
[動画を見る]
一方NASAによると、温暖化を経験している南極では、アデリーペンギンの個体数は今後40年間で減少すると予想されているという。
海氷が減少すると様々な変化が生じ、それがペンギンの個体数に大きく影響を与えるのだそうだ。
2017年には、4万羽のアデリーペンギンの生息地が「壊滅的な繁殖事態」に見舞われた。
2羽を除くすべてのヒナが飢餓で死んだのだ。この大量死は、わずか4年の間に2回も発生しており、50年以上の観察では過去に例のない繁殖災害のクラスターとして記録されている。
追記(2021/11/15)本文を一部修正して再送します。
References:‘Super rare’: Antarctic penguin washes up in New Zealand, 3,000km from home | New Zealand | The Guardian / written by Scarlet / edited by parumo
『画像・動画、SNSが見れない場合はオリジナルサイト(カラパイア)をご覧ください。』
アデリーペンギンは、南極半島にのみ生息している。にもかかわらず、アデリーペンギンの1羽が、南極から約3000km離れたニュージーランド南島の海岸で発見されたのだからびっくり。
保護されたペンギンはひどい脱水症状を起こしていたようで、獣医らが水分と栄養源を補給し、無事に南極に戻れるようにと後に安全な海岸へと放たれた。
[動画を見る]
Rare Antarctic Penguin Accidentally Travels 3000km From Home南極にしかいないはずのアデリーペンギンがニュージーランドで発見 つい先日、南極西部の南極半島にのみ生息するとされるアデリーペンギンが、ニュージーランド南島にあるバードリングス・フラットの海岸に独りぼっちでたたずんでいるところを、地元住民ハリー・シンさんが発見した。
ペンギンが頭を動かすまでは「ぬいぐるみ」だと思ったというシンさんは、後のメディアでこのように語っている。
疲れ果てた様子で、1時間ほど同じ場所から動かなかったペンギンを見て、犬などの他の動物に襲われるのではないかと心配しました。
[動画を見る]
最終的にシンさんは、ニュージーランド南島で10年にわたりペンギンの野生復帰活動を行う専門家トーマス・ストラックさんに連絡を入れ、助けを求めた。
シンさんから連絡を受けたストラックさんは、獣医師と共に現場へ駆け付け、実際に南極のアデリーペンギンがいる光景を見て、驚きを隠せなかったという。
[動画を見る]
保護したペンギンに栄養と水を補給 ペンギンといえば、アニメ『ピングー』のキャラクターで知られていることから、そのペンギンは地元の人々にピングーと呼ばれることになったようだ。
獣医師らの診断によると、ピングーは飢えて脱水症状を起こしていることがわかった。元気を取り戻してもらう為、ピングーには魚を凍らしてミキサーにかけたスムージーと水が与えられた。
ここは本来ピングーの居る場所ではない。仲間のいる南極に戻って行ってもらわなければならない。さてどうやって戻すべきか、皆は考えた。
人間の力で、ピングーを南極観測基地であるスコット基地までヘラクレス(空軍機)で飛ばしてやるのはどうかという話も出ましたが、残念ながら自然保護局に許可されず、実行不可能になりました。
[動画を見る]
自力で戻ってくれることを祈りながら送り出す これはもう、なんとか自力で戻って行ってもらうしかなさそうだ。
生息地の南極までの道のりは3000キロもある。再び無事に生息地に戻ることを願って、ストラックさんは当局メンバーと、ペンギンが苦手とする犬のいないバンクス半島の安全な海岸へピングーを放した。
ひとりぼっちで海に向かっていくピングーの姿は「がんばって!絶対南極にたどり着いて!」と祈らずにはいられない哀愁に満ちていた。
[動画を見る]
ピングーの漂着は、気候変動の影響か? アデリーペンギンがニュージーランドに漂着したという事例は、これまで1993年と1962年に起こっており、今回で3度目だという。
オタゴ大学のフィリップ・セドン教授は、ピングーの漂着は気候変動が影響を及ぼしていると語る。
こうした例は非常に稀ですが、ペンギンのニュージーランドへの漂着が数回もあるということは、厄介な気候変動の影響が考えられます。
もしかしたら、今後毎年このような光景が目撃されるかもしれません。海温の上昇や生息地の変化、食料供給を巡る競争の激化など、何らかの異変が確実に起きていることを、私たちは理解する必要があるでしょう。
[動画を見る]
海水温の上昇は、ペンギンが通常食べる魚がより寒い深部に潜り、アデリーペンギンの餌を奪うことを意味する。
現時点では、アデリーペンギンの個体数は安定しているように見えますが、一部の地域では増加し、他の地域では減少しています。
将来的には多くの脅威が発生する可能性があり、こうしたペンギンの行動の変化は、海洋生態系に存在する危機の早期警告となる可能性があります。(セドン教授)
[動画を見る]
一方NASAによると、温暖化を経験している南極では、アデリーペンギンの個体数は今後40年間で減少すると予想されているという。
海氷が減少すると様々な変化が生じ、それがペンギンの個体数に大きく影響を与えるのだそうだ。
2017年には、4万羽のアデリーペンギンの生息地が「壊滅的な繁殖事態」に見舞われた。
2羽を除くすべてのヒナが飢餓で死んだのだ。この大量死は、わずか4年の間に2回も発生しており、50年以上の観察では過去に例のない繁殖災害のクラスターとして記録されている。
追記(2021/11/15)本文を一部修正して再送します。
References:‘Super rare’: Antarctic penguin washes up in New Zealand, 3,000km from home | New Zealand | The Guardian / written by Scarlet / edited by parumo
『画像・動画、SNSが見れない場合はオリジナルサイト(カラパイア)をご覧ください。』
編集部おすすめ